美術と企業文化の融合…韓国・アモーレパシフィック所蔵展
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【04月25日 KOREA WAVE】ソウル市龍山区にあるアモーレパシフィック本社内の美術館で、5回目となる「現代美術所蔵品特別展」(APMA, CHAPTER FIVE)が開催されている。
展示室へと続く地下空間に足を踏み入れると、まず来場者の視線を引きつけるのが、ナム・ジュン・パイクの代表作「コン・ティキ」(1995年)だ。薄暗い空間の中でにじむように広がる電子の光が、作品そのものを超えて展示空間全体の雰囲気を変えるインスタレーションとして迫ってくる。
テレビモニターやネオン管、木枠などが組み合わされた構造は巨大な船を想起させ、複数の画面が異なるリズムで点滅しながら壁や床へ光を広げる。観覧者は自然と足を止め、作品と空間の関係を見つめ直す体験へと導かれる。
映像には亀甲船や西洋の船などが登場し、テレビボックス内には人形や仏像、写真などが配置されている。東洋と西洋、科学と芸術の境界を横断しながら、技術と人間の関係を問いかける構成となっている。
同じ展示室には、イ・ブルの「秘密共有者」(2012年)も展示されている。クリスタルと光が織りなす美しい外観とは対照的に、近づくほど不穏さが増す作品で、動物の形をした存在が破片を吐き出すようにも見える。作家自身と飼い犬の記憶や感覚が投影された作品だ。
第1展示室の中央には、デイヴィッド・ホックニーの「カブリ海のティータイム」(1987年)が配置されている。カラーリトグラフにアクリルや紙を組み合わせたコラージュ作品で、屏風のような構成が特徴的だ。舞台装置を思わせる構図と鮮やかな色彩が強い印象を残す。
入口付近では、アルバロ・バリントンの「空は限界ではない」(2023年)が来場者を迎える。カリブとニューヨークを行き来する中で形成された文化やアイデンティティーをテーマに、麻布や織物など多様な素材を取り入れた表現が展開されている。
彫刻作品では、キャロル・ボーヴの「針葉樹林プリズム」(2025年)が目を引く。金属を用いながら柔らかな曲線を描き、素材の物理的特性と文化的意味を同時に探る作品となっている。
会場にはキキ・スミスやローズ・ワイリー、ガラ・ポラス=キム、リー・ウファン(李禹煥)ら約40人の作家による約90点が並び、生命や死、歴史、物質性といったテーマが多角的に提示されている。
キュレーターは「地域と世界、過去と現在が交差する地点を立体的に示し、同時代美術の多様な表現から新たな解釈を見いだす契機になる」と説明している。
アモーレパシフィック美術館は、創業者ソ・ソンファン氏のコレクションを基に1979年に設立され、2009年に現在の名称へ変更された。2018年に龍山の新本社で再開館して以降、古美術と現代美術を横断する展示や研究活動を続けている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News