【4月28日 CNS】東南アジアと広く接する地域で、東南アジア諸国連合(ASEAN)に向けた対外貿易ルートの高度化が加速している。

広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)は、中国で唯一、ASEAN諸国と陸と海の両方でつながる省級行政区だ。この5年間、「一区両地一園一通道」と呼ばれる、自由貿易試験区や物流拠点、産業園区、国際輸送ルートを一体的に整備する枠組みを進めてきた。対外貿易規模は4度にわたり1000億元(約2兆3333億円)単位の節目を突破し、2025年には8000億元(約18兆6668億円)の大台を超えた。

中国とASEANはすでに6年連続で、互いにとって最大の貿易相手となっている。こうした背景のもと、広西貿促会の党委書記で会長の楊雁雁(Yang Yanyan)氏はこのほど三里河中国経済観察のインタビューに応じ、広西貿促会は今後も広西の立地と産業の強みを基盤に対外ハブ機能を強化し、中国―ASEANビジネス・投資サミットやサプライチェーン博覧会などのプラットフォームを活用して、貿促業務の質と効果を高めていくと述べた。

広西の対外開放の水準向上は、まずプラットフォームの支援力強化にある。楊雁雁氏は、中国貿促会が近年、中国―ASEANビジネス・投資サミットと中国―ASEANビジネス理事会という2つの高水準プラットフォームの整備と活用を進め、広西を拠点とする対ASEAN協力の大動脈づくりを加速させていると説明した。

2025年の第22回中国―ASEANビジネス・投資サミットでは、広西貿促会が特別参加地域の貿促会との連携枠組みを構築し、北京市や浙江省(Zhejiang)の貿促会とともに企業を組織して、ASEANの経済界との精度の高い産業マッチングを行った。また、AIを活用した運営のもと、500社以上に対して「スマートマッチング」を実施し、5300件以上のマッチング情報を提供、多くの協力案件の成立につながった。

南寧新歌山電子科技はその恩恵を受けた企業の一つだ。同社の郭趙偉(Guo Zhaowei)氏は、「スマートマッチング」によって、これまでのように足で回り口頭で探す展示会スタイルが大きく変わったと語る。今では指先の操作だけでAIが最適な相手を導き出し、数分で複数の潜在顧客を特定し、すぐに商談段階に入れるという。

今年9月には、第23回中国―ASEANビジネス・投資サミットが再び南寧で開催される予定だ。楊雁雁氏は、中国―ASEAN自由貿易区3.0版を軸に、「AIを主役に、企業を主体に、応用を特色に」という方針を掲げ、「4+N+X+1+1」と呼ばれる活動体系(主要イベントを軸に関連活動や専門分野の取り組みを組み合わせた構成)を構築し、AIをテーマとした関連イベントや経済・貿易の付帯活動を充実させることで、サミットを単なる会議の場から協力のエコシステムへと発展させていくと述べた。

また、今回のサミットでは「北京・上海・広州(Guangzhou)の研究開発+広西での統合+ASEANでの応用」という協力モデルを構築し、政府、企業、研究機関など幅広い主体を巻き込みながら、AIや電力分野を中心に複数のテーマイベントを開催し、AI関連の取り組みを昨年の「関心の喚起」から「具体的な協力」へと進化させていく方針だ。

こうした各方面の強みを結集する戦略は、すでに広西企業に新たな発展機会をもたらしている。近年、北京市から南寧市(Nanning)に拠点を移した人民出行(南寧)科技はその典型例だ。北京の研究開発力を生かしつつ、南寧を拠点に展開し、同社の技術やビジネスモデル、標準はすでにASEAN市場で活用されており、「北京・上海・広州での開発+広西での統合+ASEANでの応用」を体現する事例となっている。

こうしたプラットフォーム面の支援に加え、広西貿促会は産業面での海外展開支援も強化している。楊雁雁氏によると、砂糖産業や炭酸カルシウムなど広西の特色産業を軸に、サプライチェーンの上下流企業の連携を促進し、産業チェーンと供給網の強靭性と競争力を高めていくという。また、外向型企業の成長支援計画を進め、「製品の輸出」から「産業の海外展開」への転換を促し、企業の国際競争力と広西産業の国際的影響力を高めていく。

その重要な手段の一つがサプライチェーン博覧会だ。過去3回の同博覧会で、広西貿促会は「10+3」(中国とASEAN10か国に日本・韓国を加えた枠組み)協力成果総合展示や、砂糖産業エコチェーン、アルミ産業のフルチェーンなど6つの特設展示エリアを設け、企業の意向ベースで114件、総額35億元(約816億6725万円)超の協力案件を実現してきた。

楊雁雁氏は「今年はさらに特色ある展示に力を入れ、企業ニーズの事前把握と全プロセスの支援体制を徹底し、出展の魅力と企業の実感を高めていく」と語った。こうした複合的な取り組みにより、「一つの湾が11か国をつなぐ」とされる広西は、単なる地理的な通過点から、産業連携の地域ハブ、制度型開放の重要拠点へと変わりつつある。

ASEANに向けたこのルートは、いまなお広がり続けている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News