ローマ教皇、AIの乱用非難 トランプ氏のキリスト画像念頭か
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【4月18日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領と舌戦を続けるローマ・カトリック教会の教皇レオ14世は17日、アフリカ4か国歴訪の2か国目カメルーンを訪問中、人工知能(AI)の急速な進化と普及が「紛争、恐怖、暴力」を助長する可能性があると警告した。
教皇は2025年5月の就任以来、AIへの注意を幾度となく呼びかけてきたが、今回の警告は、トランプ氏が自身をイエス・キリストに模したかのようなAI生成とみられる画像を投稿し(現在は削除済み)、激しい非難を浴びている中で発せられた。
世界に14億人いるカトリック信徒の指導者である教皇は、カメルーンの経済の中心地ドゥアラでうだるような暑さの中、12万人を超える信徒を前に史的なアフリカ歴訪における最大の行事となるミサを執り行った後、AIの危険性について警鐘を鳴らした。
「これらのシステムがもたらす課題は、見た目以上に深刻だ。それは単に新しい技術の利用という問題ではなく、現実が徐々にシミュレーションに置き換えられていくという問題だ」と主張。
「このようにして、分断、紛争、恐怖、そして暴力が広がる。問われているのは、単なる誤りのリスクではなく、真実との関係そのものの変容だ」と付け加えた。
教皇は11日間のアフリカ歴訪中、これまでの抑制的な姿勢を捨て、世界平和を熱心に呼び掛け、同じ米国人であるトランプ氏と激しい論争を繰り広げている。
教皇に米イスラエルによる対イラン軍事作戦を批判されると、トランプ氏は教皇を「犯罪対策に弱腰で、外交政策において最悪だ」と非難。
その後、AI生成とみられる、自身をキリストに見立てた画像を投稿したが、宗教指導者らから冒涜行為だと非難されたため、後に削除した。
教皇は16日、世界を荒廃させている「一握りの暴君たち」たちを批判した。
これに対しトランプ氏は、「教皇は、イランがここ数か月で4万2000人以上を殺害したことを理解しなければならない」と反発。
「殺されたのは丸腰の抗議デモ参加者だった。教皇はそのことを理解しなければならない。これが現実の世界であり、醜い世界だ」と付け加えた。
教皇は17日のAIに関する演説で、トランプ政権のアフリカ政策の要である、AI技術の驚異的な発展に不可欠なレアアース(希土類)の採掘によって引き起こされる「環境破壊」も非難。
さらに、外国勢力、特に中国がアフリカの富を搾取し、地元住民を苦しめている鉱業の腐敗を終わらせるよう呼び掛けた。(c)AFP