【4月15日 AFP】米軍がイランの港湾を出入りする船舶を対象に海上封鎖を開始したにもかかわらず、イランの港を出港した船舶少なくとも3隻がエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を通過した。中には海峡通過後、引き返した船舶もある。海事データ分析企業ケプラーが14日公開したデータで明らかになった。

これらの船舶は、グリニッジ標準時(GMT)13日午後2時に米軍が海上封鎖を開始した後、ホルムズ海峡を通過したイラン関連船舶少なくとも7隻に含まれている。

リベリア船籍のばら積み貨物船「クリスティアナ」は、ペルシャ湾のイランのバンダル・イマーム・ホメイニ港でトウモロコシ7万4000トンを荷揚げした後、GMT13日午後4時ごろにホルムズ海峡にあるイラン領ララク島を通過した。

コモロ船籍のタンカー「エルピス」は、GMT13日午前11時ごろにララク島付近におり、同日午後4時ごろに海峡を通過した。

エルピスはメタノール(メチルアルコール)3万1000トンを積載し、3月31日にペルシャ湾内のイラン領ブーシェフル港を出港していた。

ホルムズ海峡を通過した船舶には、同じくイランから出港した船舶「アルゴ・マリス」も含まれていた。

海事アナリストらは、ここ数週間のホルムズ海峡周辺での紛争において、この地域の自動船舶識別装置(AIS)信号が妨害・操作されているため、正確かつ包括的な追跡が困難になっていると警告している。

■米国は封鎖維持と発表

2月28日に米国とイスラエルが対イラン攻撃を開始し、中東紛争が勃発(ぼっぱつ)した後、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖した。

米国は12日、イランとの和平交渉が決裂したことを受け、イランの港湾を出入りする船舶を対象に海上封鎖を実施すると発表した。

米軍は14日、封鎖は維持されており、最初の24時間でペルシャ湾外のイランの港を出港した6隻を阻止したと発表した。

中東とパキスタン以西の中央アジアを担当する米中央軍(CENTCOM)はX(旧ツイッター)に、「米国の海上封鎖を突破した船舶はなく、商船6隻が米軍の指示に従い、海峡外のオマーン湾に面したイランの港に引き返した」と投稿。

海上封鎖は「アラビア湾とオマーン湾に面したすべてのイランの港を含む、イランの港湾および沿岸地域に出入りするすべての国の船舶に対して公平に実施されている」と付け加えた。

タンカー「エルピス」のAIS信号は、ホルムズ海峡通過後、GMT13日午後23時に切られたとみられ、14日の位置は特定できなかった。

■中国のタンカーが引き返す

中国のタンカー「リッチ・スターリー」も、13日から14日にかけての夜間、ララク島南方のイラン承認ルートを経由してホルムズ海峡を通過した。

AISのデータによれば、同船メタノール3万1500トンを積載し、オマーン北部のソハール港に向かっていたとされる。

同船はGMT14日午前11時ごろ、オマーン湾で方向転換し、ホルムズ海峡方面に戻った。目的地は不明。

クリスティアナもGMT同日午後3時ごろ、目的地であるオマーン沖で方向転換した。こちらも新たな目的地は不明。

ホルムズ海峡を通過した船舶には、過去にイランと貿易を行っていたばら積み貨物船「マナリ」もある。

残る2隻はイラン船籍の船舶で、米国による制裁対象となっているコンテナ船「カシャン」と、その後ホルムズ海峡沿いのイランの港に向かった貨物船「モシュタリ」。

リッチ・スターリーとエルピスは、米財務省外国資産管理室(OFAC)により、イランとの関係を理由に制裁対象とされている。(c)AFP