【4月2日 AFP】カナダ人のモータースポーツ記念品コレクター、ダレン・ジャックさん(46)は、伝説のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバー、故アイルトン・セナのヘルメットが日本で売り出されていると知り、飛行機に飛び乗った。セナが最後のグランプリで携えていたヘルメットは、100万ドル(約1億5800万円)の価値があると見積もる。

3月29日に決勝が行われた今季F1第3戦日本GPでAFPの取材に応じたジャックさんは、セナのイニシャル「A.S.」と書かれたオリジナルバッグに収められた、アイコニックな黄色いヘルメットを披露した。どちらも、1994年のサンマリノGPが行われたイモラ・サーキットで34歳で事故死したセナ本人のものだ。

このベル社製ヘルメットは、セナが事故当日に着用していたものではない。しかしジャックさんによれば、94年シーズン開幕時に、ブラジル、日本、イモラに持参していた3〜4個のヘルメットのうちの一つだという。

「(セナは94年開幕戦の)ブラジルでのレース・ウイークエンドには確実にこのヘルメットを着用していました。その後、チームとともにパフシフィックGP(同年の第2戦で日本開催)、そして最後のレースウイークエンドとなったイモラへも運ばれたんです」とジャックさん。

「彼が『Senna』ロゴをつけていた唯一のレース(がイモラ)でした。つまり、このロゴはイモラのために追加されたもので、これは『そこにあった』ことを意味する重要な証拠です。人生と歴史の一部が今ここにあると考えると、本当に不思議な気持ちになります」

証拠としてジャックさんは、認識ソフトを駆使して比較・分析された当時の写真や映像を示した。また、真正性を示す書簡やシリアルナンバー、メーカーのベル社および日本の売り手からの文書もそろっている。

モータースポーツ記念品コレクションの会社で最高経営責任者(CEO)を務めるジャックさんは、自身がいくら支払ったのか明かさなかったものの、「これは明らかに100万ドルのヘルメットです」と強調した。

日本GPが行われた鈴鹿のパドックを含め、高額なオファーを受けてはいるものの、ジャックさんはまだ売るつもりはないという。

「持っているということに愛着があります。所有していることに誇りを持っています。私はもともと情熱的なコレクターで、そこからビジネスが始まったんです」

「だから私にとってこれは夢なんです。そのお金で何を買うというのでしょう」

「名前は明かしませんが、現役F1ドライバーが『この週末のパドックでもし100万ドルを払ったらどうする』といったようなことを言ったんです。でも私は『いや、売り物じゃないんだ』と応じました」(c)AFP