【4月1日 AFP】国連は3月31日、イスラエル国会がテロ攻撃でイスラエル人を殺害したパレスチナ人に対し、原則として死刑を科す法案を可決したことを「残酷で差別的だ」と激しく非難し、占領するパレスチナ自治区で同法を適用すれば「戦争犯罪に当たる」と警告した。

3月30日夜に可決された同法案が適用されるのは、軍事法廷で裁かれる占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ人。死者が出る「テロ行為」で有罪となったパレスチナ人は、原則死刑となる。

​​国連のアントニオ・グテレス事務総長のデュジャリク報道官は米ニューヨークで記者会見し、国連は「いかなる場所においても、あらゆる形態の死刑に反対する」「この法案の差別的な性質は、特に残酷で差別的だ。イスラエル政府に対し、この法案を撤回し、施行しないよう求める」と述べた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク高等弁務官も、この法案の「即時撤回」を求め、「イスラエルの国際法上の義務と明らかに矛盾する」と警告した。

イスラエルの一般法廷も、イスラエル国家を否定する意図を持ってテロ行為を実施した者に「死刑または終身刑」を科しているが、占領地のパレスチナ人は自動的にイスラエルの軍事法廷で裁かれるため、この措置は事実上、より厳しい別の法的手続きを作り出すことになる。

イスラエルはこれまで死刑を2回しか執行していない。1回目は建国直後の1948年、国家反逆罪で有罪となった大尉に対して、2回目は1962年、ナチス・ドイツの親衛隊(SS)元将校アドルフ・アイヒマンに対してだ。

ターク氏は「死刑は人間の尊厳と全く相容れない」と強調し、「差別的な方法で死刑を適用することは、国際法に対する特に重大な違反となる」「占領下のパレスチナ自治区の住民に適用すれば、戦争犯罪に当たる」と警告。

「(同法案は)不公正な裁判で有罪判決を受けることが多いパレスチナ人を差別的に標的にすることで、イスラエルによる人種隔離とアパルトヘイトの禁止違反をさらに強固なものにするだろう」と付け加えた。(c)AFP