【4月13日 東方新報】「テーマ選定・研究計画書作成、論文執筆、剽窃(ひょうせつ)チェック(過去論文類似率低減)など、全て込みでわずか650元(約1万5015円)」、卒業シーズンが近づく中、多くの大学生が論文に頭を悩ませ、ネット上の代行サービスに頼っている。取材によると、一部の業者はECプラットフォームやSNS上のキャンパスコミュニティなどのチャネルで、「論文指導」「テーマ設定指導」「文章推敲」「剽窃(ひょうせつ)チェックサービス」などの名目で偽装し、「代筆」という敏感な単語を避けて宣伝している。学生が問い合わせると、プラットフォームの監視を逃れるため、個人や企業の微信(ウィーチャット、WeChat)ウェブサイトへ誘導し、水面下の取引を行っている。

関係者によると、例えば卒業論文の場合、業者は通常、短大、4年制大学の学士、修士、博士といった異なる学歴レベル、専攻科目、論文の文字数要求などに基づいて総合的に価格を設定するという。

記者がある中古品取引プラットフォームで「論文」「lw」(論文のピンインlunwenの隠語)などのキーワードで検索したところ、代行サービスを提供する業者が多数存在していることが判明した。複数の業者に問い合わせたところ、その多くがプラットフォームによる敏感ワードの取り締まりが厳しいことを理由に、ウィーチャットの企業のアカウント経由での連絡を求めてきた。さらに、記者が企業のアカウントを追加する過程で、同じアカウントを複数の業者が共有しているケースも発見した。

記者は、個人でチームを組織していると称する業者に問い合わせた。これまでに数千人の顧客にサービスを提供し、対面指導も可能だと宣伝していた。関連ページにはすでに500人以上が「欲しい」サインを付け、専門分野は70以上の二級学科をカバーしていると表示されていた。

料金を尋ねると、相手はすぐにウィーチャットの企業アカウントの名刺を送ってきた。名刺に記された運営主体は、ある文学系スタートアップ企業となっていた。専門分野、テーマ、文字数などの情報をやり取りした後、8000字の論文を例に、相手はテーマ選定、研究計画書作成、論文執筆、文章推敲、剽窃チェック、口頭試問の指導まで全てを含むパッケージサービスを提供できるとし、見積もり金額は650元で、同時にサービス手順も提示してきた。

その手順とは、まず半額を着手金として支払うと専門の執筆者がテーマ案を作成する。テーマ確定後に執筆を開始する。全文完成後、スクリーンショット(全文内容、総文字数、剽窃チェック合格報告を含む)が提供される。それを確認後、問題無ければ残金を支払う。

もしも指導教官から修正意見が出たような場合は、まとめてフィードバックでき、その後の修正は回数や期間を問わず、最終稿が承認されるまで無料で対応するという。
また「AIによる作成か否か」という疑問に対して、この業者は「人間による執筆であり、剽窃チェックやAI生成検出にも合格することを保証する」と約束した。

記者はその後、別の論文代筆サービス業者にも問い合わせた。大学院研修生論文の代筆について訊ねた際、この業者も同様にまずウィーチャットの企業アカウント経由の連絡を求めてきた。専門と文字数要件を確認した上で、この業者は「1000字当たり200元(約4620円)、1万5000字の論文であれば、1本あたりの料金は合計3000元(約6万9300円)」という見積もりを提示した。「専門が合致する人物を手配して執筆させるとし、その後の修正対応、審査通過、剽窃チェック率を保証し、修正は期間・回数無制限で全て無料、顧客が満足し合格するまで全て代行する完全なワンストップサービスを提供する」と約束した。AI使用の懸念に対しても、相手は全て人間によるオリジナル執筆であり、剽窃チェック率やAI生成検出の合格も保証できると述べた。

SNSで検索してみると、最近、論文代筆や論文テーマ設定に関する不満や愚痴の投稿が多数見つかった。問題は、AIによる寄せ集め執筆、修正の遅延、着手金の返金拒否、悪質な脅迫などに集中している。

多くの学生が「代筆で作成された文章は一目でAI生成と分かるものがあり、業者は内容のキーワードを単純に置き換えたり、語順を調整したりといった表面的な修正しか行わない」と訴えている。学生が関連データや参考資料を提供しても、原稿には全般的な論理の混乱、内容の寄せ集め、論証の不備などの問題が散見されるという。

そして学生が修正を要求すると、業者は追加料金を要求するか、あの手この手で引き延ばし、あるいはそのまま連絡が取れなくなるケースもあるという。さらに悪質な場合には「学術論文不正を告発する」とか「取引記録や論文内容を公開する」などと言って学生を脅し、残金の支払いを迫る業者もいるという。

中国教育部も以前「学位論文の売買・代行行為を厳禁とする」旨の通知を出している。「学位論文不正行為処理弁法」には、学位論文において購入、他人による代筆、剽窃またはデータ改ざんなどの不正があった場合、学位授与機関は学位申請資格を取り消すことができると明記されている。すでに学位を取得している場合でも、学位授与機関は法に基づいてその学位を取り消し、学位証明書を無効にすることができる旨の規定もある。

さらに、同弁法では、他人のために学位論文を代筆したり、学位論文を販売したり、または学位論文の売買・代筆を組織した者が、もし在学生であれば、所属する学校か学位授与機関の権限で除籍処分とすることができる。もし学校や学位授与機関の教員又は教員以外の職員だった場合は、所属学校や学位授与機関は当人を免職処分とする、または雇用契約を解除することができると定めている。

このように論文の代筆およびそれに関連する不正な行為に対しては、依頼した本人も、また依頼を受けた者にたいしても厳しい罰則が科される重大な犯罪行為であることを、十分認識しておかなければならない。(c)東方新報/AFPBB News