【4月10日 東方新報】今年1月5日、「国連事務総長ゼロ廃棄物アドバイザリーボード」が電子メールで、海南省(Hainan)三亜市(Sanya)が世界の「ごみゼロを目指す世界20都市リスト」(3月30日の「国際ごみゼロデーで発表予定」に選出されたことを通知した。

都市の固形廃棄物の排出量が観光客数に連動して変化するという特徴を考慮しながら、三亜市は「ごみゼロホテル」や「ごみゼロ観光地」の整備を重視し、観光客に対して「プラスチック製品使用禁止」、ごみの分別、ビーチクリーンなどの廃棄物削減・資源化活動への参加を積極的に促し、「ごみゼロ」と文化・観光の融合による発展の道を模索している。

三亜市の西島は、市中心部と海を隔てて向かい合う海南省沿海部で2番目の大きさの島であり、人気の高い離島観光地の一つだ。観光シーズン中には1日の観光客数が最大1万人に達し、島の常住人口6千人余りを大きく上回る。固形廃棄物が島の生態系の持続可能性に与える悪影響を軽減するため、2018年に西島はいちはやく「プラスチックフリー生態島」建設を開始し、19年には10年後の「ごみゼロ島」発展目標を掲げ、生態保護と経済発展を密接に融合させた。

現在、西島には地域色豊かな「ごみゼロ」文化が形成されている。島では画期的な「愛島カード」が導入され、住民や観光客は段ボールやペットボトルなどの廃棄物と引き換えに「愛島カード」のポイントを得て、それを日用品やカルチャーグッズと交換できるようにした。築100年を超える数棟の珊瑚石造りの家屋内には、島内で回収された廃プラスチック、古紙、廃繊維製品、廃漁船を用いて制作されたカルチャークリエイティブグッズが展示されている。風化した珊瑚石造りの古民家、彩り豊かにペイントされた廃漁船、そして3隻の古い漁船を改造して造られた海上書房は、観光客がこぞって訪れる人気スポットとなっている。

「ごみゼロホテル」である「三亜海棠湾陽光壱酒店」では、環境に配慮した理念が設計・建設から日常運営のあらゆる面に貫かれている。ホテルは総合的な景観設計において在来の植生を多用することで、地域の植生への影響を抑え、生物多様性を高めている。また、内装やデザインに地域の再生可能な材料を多用している。例えば、古い船の木材をくみ上げた外壁や、古い鉄道の枕木で装飾されたエレベーターの内壁などだ。客室では、「Do Not Disturb(起こすな)」の表示に従来の紙製の札に代えて天然石を使用し、紙の消費を削減している。

さらに、このホテルは、生活排水浄化循環利用システム、熱回収システム、太陽熱温水システムの3大システムを導入し、省エネと排出削減を実現している。生活排水浄化循環利用システムの採用で水資源の消費を源流から削減し、年間の水道料金を最大で10万元(約230万1300円)近く節約している。また、熱回収システムの運転でエネルギー消費量と二酸化炭素排出量を削減し、年間最大で約80万元(約1850万4000円)の電気料金の節約ができている。さらに太陽熱温水システムの導入により、海棠湾エリアの同規模のホテルと比較して、年間約1300立方メートルの天然ガス使用量を削減している。

観光都市が抱える、生活ごみ、生ごみ、汚水汚泥、医療廃棄物といった固形廃棄物の排出量は観光客数に応じて大きく変動する。一部の種類の廃棄物は排出量が少なく、単独での処理施設の建設はコストが高く、稼働率が低く、運転が不安定になるといった課題がある。この問題を解決するため、三亜市は都市の固形廃棄物処理施設を「三亜市循環経済産業パーク」に集約し、「協同焼却処理」という主要技術の採用で、多種多様なごみが混在する典型的な都市固形廃棄物の集中的・効率的な一括協同処理、エネルギーの共有利用、産業間の連携・共生を実現した。

三亜市生態環境局の統計によると、現在、市は「飲食、宿泊、交通、観光、購買、娯楽」の全チェーンに焦点を当て、「三亜市『ごみゼロ細胞』建設細則(試行)」を公布し、これを実行している。「ごみゼロ細胞」に認定された施設は676軒に上る。その内訳は「ごみゼロホテル」39軒、「ごみゼロ観光地」13か所で、観光の主要な場所において「ごみゼロ」理念の全面的な浸透を実現している。

今後のステップとして、三亜市は固形廃棄物の発生源削減と資源化利用を強化し、「ごみゼロ都市」と「ダブルカーボン」(炭素排出ピークアウト・カーボンニュートラル)戦略の相乗効果を促進させようとしている。循環経済産業パークの建設を継続的に推し進め、経済効果、生態学的効果、社会的効果を総合的に考慮し、「循環・ごみゼロ・低炭素」の重点産業パークの創出を目指す。

また、「ごみゼロ機関」「ごみゼロコミュニティ」「ごみゼロ商業施設」「ごみゼロ民宿」など、全業種における「ごみゼロ細胞」の建設作業を継続的に展開し「低炭素・循環ポイント」の交換や「グリーン消費割引」などのインセンティブ手法を検討し、市民や観光客の積極的かつ幅広い参加を促そうと考えている。さらに、国内の観光都市と連携して、中国観光業界の「ごみゼロ連盟」を共同で立ち上げ、文化・観光業界における「ごみゼロ都市」建設のスケールメリットを追求していく予定だ。(c)東方新報/AFPBB News