【3月27日 AFP】米国科学者連盟(FAS)と国際NGO「ノルウェー人民援助(NPA)」が26日に公表した「核兵器禁止監視報告書(NWBM)」によると、核保有国は昨年、核兵器の生産と配備を加速させた。同報告書は、武力紛争が激化する中で「憂慮すべき事態」だと指摘している。

核保有国9か国(ロシア、米国、中国、フランス、英国、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮)のほぼすべてが、核戦力増強に着手したか、その計画を発表している。

FASの核情報プロジェクト責任者で、報告書の主執筆者の一人であるハンス・クリステンセン氏はスイス・ジュネーブで記者会見し、「核軍縮の時代は終わった」と述べ、これが「大きな転換点」だと警告した。

報告書によると、即応可能な核兵器の数は昨年9745発に達し、前年比で141発増加したと推定され、その威力は1945年に1発で14万人もの命を奪った広島型原爆13万5000発分に相当するという。

9745発の40%、つまり4012発が弾道ミサイルの発射装置を備えた地下格納庫、移動式発射台、潜水艦、爆撃機基地に配備されており、こちらは前年年比で108発増加した。

​​クリステンセン氏は、「配備済み核弾頭の数が年々増加しているのは憂慮すべき事態だ」「急速なエスカレーション、誤算、偶発的な使用のリスクが高まっている」と警告。

「これは全人類にとって、世界をより危険なものにする」と付け加えた。

世界の核兵器数は、東西冷戦のピーク時に比べると依然として少ない。

報告書によると、核保有国が2026年初め時点に保有していた核弾頭の総数は1万2187発で、1980年代半ばの7万発以上から大幅に減少しており、前年比でも144発減少している。

だが、核保有国が関与する欧州、アジア、中東における紛争の激化を背景に、核兵器の即応態勢強化の動きはより一層懸念されるという。

報告書は、核問題に関して世界各国が相反する方向に向かっている現状を詳細に説明し、核兵器の全面禁止に向けた取り組みに賛同する国が増えている点を指摘した。

2025年末までに99か国が核兵器禁止条約(TPNW)を批准または署名した。

核保有国9か国はいずれも批准・署名しておらず、むしろ核兵器の近代化と核戦力の増強に多額の投資を行っている。

TPNWに積極的に反対している国は47か国あり、その4分の3は欧州の国だ。

だが、同条約の推進活動で2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のメリッサ・パーク事務局長は、「核の傘の下には避難所はない」「彼らは、核廃絶を支持する世界の大多数に加わるべきだ」と述べている。(c)AFP