【3月26日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス首相は25日、米イスラエルによる対イラン攻撃で始まった中東戦争は2003年のイラク戦争よりも「はるかに悪い」シナリオを呈していると警告した。

サンチェス氏は議会で中東戦争について、「違法なイラク戦争と同じシナリオではない。われわれははるかに悪い事態に直面している。はるかに悪い。その潜在的な影響は、イラク戦争よりもはるかに広範囲かつ深刻だ」「今回は、不条理で違法な戦争だ。経済、社会、環境に関する目標達成を阻害する残酷な戦争だ」と述べた。

穏健左派・社会労働党を率いるサンチェス氏は、ドナルド・トランプ米大統領にスペインとの貿易を断つと脅迫されているにもかかわらず、対イラン攻撃のためにスペイン南部の基地を米軍に使用させることを拒否している。

サンチェス氏は、2003年に米国が始めたイラク侵攻は目的を達成できなかったばかりか一般市民の生活を悪化させたと指摘し、燃料や食料品価格の急騰、移民危機、欧州でのイスラム過激派による攻撃につながったと述べた。

サンチェス氏は、対イラン攻撃が何百何千万人もの人々にイラク戦争と同様の経済的影響を与える可能性があると警告。

「すでに目の当たりにしているように、中東に投下される爆弾はすべて、最終的には私たちの家計を直撃する」「世界を炎上させる者がいる一方で、その灰をかぶる者がいるのは不公平だ。スペイン人や他の欧州人が、この違法な戦争のために懐を痛めなければならないのは間違っている」と述べた。

イラク戦争への言及は、スペインの有権者の共感を呼ぶかもしれない。

当時政権を握っていた中道右派・国民党(旧国民同盟)がイラク戦争を支持し、軍を派遣したことは多くの国民に嫌われ、大規模な抗議デモも起きた。

一部のアナリストは、このことが2004年3月の総選挙での社会労働党の予想外の勝利への道を開いたと指摘している。

選挙の数日前には首都マドリードでイスラム過激派による凄惨な爆破事件が発生。国際テロ組織アルカイダの分派が犯行声明を出し、イラクからのスペイン軍撤退を要求した。

スペインの全国紙パイスが6日に公表した世論調査によると、スペイン国民の過半数(53.2%)が、南部にあるロタ海軍基地とモロン空軍基地を米国に使用させないというサンチェス氏の判断を支持している。(c)AFP