黄土高原の女性たち、農村振興を支える ・中国
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【4月4日 東方新報】月中旬の黄土高原は、春が訪れてもまだ肌寒さが残っている。早朝、甘肃省(Gansu)慶陽市(Qingyang)西峰区米堡村にある果物と野菜の集荷・卸売り企業「慶陽匯果塬果蔬」の果物保管庫では、数十人の作業員が手際よくリンゴの選別、包装、積み込みなどの作業を進めていた。段ボール箱に詰められたリンゴは整然と積み上げられ、出荷の時を待っている。
この果物保管庫の責任者は同社の董事長・王麗麗(Wang Lili)さんだ。父親の影響で2014年からリンゴの包装資材販売、そしてリンゴの貯蔵・販売に携わってきた。地元のリンゴ産業支援政策と長年にわたり培ってきた自身の経験や人脈に頼って、25年に同社を設立、そして冷蔵庫を増設した。周辺の果樹農家にリンゴの一括貯蔵サービスを提供し、生産と販売を結ぶ架け橋となっている。
年間貯蔵量600万斤(約3000トン)以上を誇るこの貯蔵庫は、「鮮度保持貯蔵+需要時期分散販売」のビジネスモデルで、周辺300戸以上の果樹農家の貯蔵問題を解決しただけでなく、リンゴの鮮度を保ち価値を守り、果物の上市が集中する時期の競争圧力を避け、農家の安定した収入増加を支援している。
「零細な栽培農家は生産量が少なく販路も狭いため、良い値段で売るのが難しい」と王さんは言う。同社では、保管するリンゴを等級分けした上で市場に的確に投入しており、同じ市場状況であれば、農家は1斤あたり0.2~0.3元(約5~7円)多く稼げるようになった。現在までに400万斤(約2000トン)を販売し、残りは5月までに売り切る見込みだ。
果物保管庫は農家の収入増加を助けるだけでなく、地元の村民に雇用の場も提供している。村民の楊雪琴(Yang Xueqin)さんは保管庫ができてからここで働き始め、7か月間で2万元以上(約46万2200円)の収入を得ている。彼女のように自宅近くで働く村民は60人以上おり、そのうち45人が女性だ。「ここ数年、政府の宣伝に力が入っているので『慶陽リンゴ』のブランドはますます有名になっている」と語る王さんは、ライブ配信を始め「慶陽リンゴ」をさらに宣伝し、より多くの高品質なリンゴを全国に届けたいと考えている。
午後、別の忙しげな音をたどって、西峰区南佐村にある「慶陽群英香包」の刺繍工房を訪ねると、64歳の左煥茸(Zuo Huanrong)さんと十数人の刺繍職人たちが刺繍台の前に座り、銀色の針を自在に操り、指先から見事な模様を編み出していた。
「慶陽香包(香り袋)刺繍」の甘粛省級代表継承者である左さんは、幼い頃から香包に親しみ、90年代に正式に師匠に弟子入りし、卓越した刺繍の腕前を身につけた。12年、彼女は「慶陽群英香包」を設立し「香包刺繍民俗文化伝承研究開発基地」を立ち上げ、技術指導を通じて、周辺の貧困女性や失業者、障害を持つ女性たちを香包刺繍産業に導いてきた。
40歳の常巧勤(Chang Qiaoqin)さんはかつて専業主婦だったが、17年に左さんのもとで刺繍を学び始めた。左さんが基本的な縫い方や色彩の組み合わせから手取り足取り丁寧に指導し、常さんはわずか3か月で、独力で刺繍作品を仕上げられるようになった。現在では、様々な刺繍技法を習得し、毎月2000~3000元(約4万6220円~6万9330円)の安定した収入を得ている。
左さんは「女性たちの大変さはよく分かっている。特に障害を持つ女性は、外に出て働くのは難しく、家にいれば収入はない。私はこの技術を伝え、より多くの女性が自分の手でお金を稼ぎ、自信と価値を持って生きていけるようにしたい」と語った。ここ数年、彼女は技術を伝える傍ら、刺繍職人たちを連れてコンテストに出場したり、展示販売会に参加したりして、外の世界を見せて視野を広げ、技術を高め、一針一針に自らの価値を見出せるように導いてきた。
左さんの香包産業は年々規模を拡大し、60人以上の障害を持つ女性の就労と収入増加に貢献している。同社は「会社+制作拠点+農家」の運営モデルにより、年間平均40万点の香包刺繍製品を生産し、製品は中国国内の20以上の都市で販売されているほか、海外にも輸出されている。彼女自身も、「全国女性『双学双比』(学習と競技の両方を促す活動)技能者」、「全国女性功績建設模範兵」などの多くの栄誉を次々と受賞し、農村振興の道における女性の先駆者となっている。
現在、西峰区の田畑や工場の作業現場、ECライブ配信スタジオなど、至る所で女性たちが活躍している。区婦女連合会は女性の起業・就労ニーズに焦点を当て、定期的な技能研修の実施、需給マッチングプラットフォームの構築、起業支援政策の実施などを通じて、女性が専門技能を身につけ、就職の道を広げるのを支援している。同時に「女性起業モデル基地」を創設し「富裕化リーダー」を育成している。リーダー企業による牽引と団結の発展モデルで、ますます多くの女性が産業の第一線に進出するようになり、その勤勉な両手で、農村産業発展の「半分の天空」をしっかりと支えている。(c)東方新報/AFPBB News