【3月25日  People’s Daily】人工知能(AI)と実体経済の深い融合は、製造業の生産方式や経済構造を大きく変え、産業の急速な高度化を推進している。1月7日、中国工業情報化部など政府8部門は「『人工知能+製造』 特別行動実施意見」を発表した。この意見は、イノベーション基盤構築、知能化による高度化、製品ブレークスルー、事業主体の育成、エコシステム拡大、安全確保、国際協力という7つの重点任務に基づき、21項目の具体的措置を詳細に定め、製造業の知能化、グリーン化、融合化の発展を加速させることを意図している。
 
実施意見によると、2027年までに、中国のAI中核基幹技術が安全かつ確実に供給されるようにし、産業規模とパワーの注入レベルで世界のトップクラスを安定的に維持するとしている。また、3つから5つの汎用大規模モデルを製造業に深く応用させ、1000のハイレベル産業用AIエージェント(知能体)を創出し、100の産業分野における高品質データセットを構築し、500の典型的な応用シナリオを普及させるとした。

さらに、世界的に影響力を持つエコシステム主導型企業2~3社を育成し、多くの専門的で革新的な中小企業を育てるとともに「AIに精通し、業界に詳しい」導入・応用サービスプロバイダーを育成し、1000社の模範的な企業を選定するとした。実施意見は、世界をリードするオープンソース・オープンエコシステムを構築し、セキュリティガバナンス能力を全面的に向上させ、AI発展に向けた中国のソリューションを提供することを目指している。

紡績工場では、温度・湿度調整、空気清浄、換気のための空調用ファンが必要だが、従来の製品は手動調整に依存しており、精度が低く、故障の予測が難しかった。これについて山東金信空調集団(Shandong Jinxin Air Conditioning Group)の呉子才(Wu Zicai)董事長は「浪潮雲洲(Inspur Yunzhou)の産業用大規模モデルをベースに、従来のファンに各種センサーを追加設置し、データの収集と学習訓練を行い、デジタルスマートファンを開発した」と紹介した。このデジタルスマートファンはリアルタイムの稼働状況に応じて、風量などの関連パラメータを最適化し、工場内の温度・湿度を精密に制御することで、工場設備の点検周期を40%短縮できたという。

「企業は全工程を通じた変革と高度化を加速し、大規模モデル技術を研究開発設計、パイロット試験、生産製造、マーケティングサービス、運営管理などの各段階に深く組み込み、設計支援、シミュレーションモデル構築、生産計画とスケジューリング、設備の予知保全などの能力を向上させる必要がある」と専門家は指摘する。

例えば、研究開発設計段階では、スマート設計支援、ソフトウェアコードの補助記述、医薬品開発などを重点的に推進し、個別化、低コスト、高効率な新たな研究開発設計モデルを創出する。また生産製造段階では、マシンビジョンや無人スマート巡回点検などの産業用品質検査技術を普及させ、生産ラインのリアルタイム監視と予知保全を強化し、設備故障の識別精度を高め、安全生産リスクの早期警告や異常警報を実現する。さらに運営管理段階では、大規模モデルの分析・生成能力を活用し、戦略、人材、財務、リスク管理などの企業の管理能力を向上させる。
 
AIを研究開発設計、生産製造、経営管理、付随サービスの展開に活用する企業向けに、「製造業向けAI応用ガイド」が実施意見の付属文書として提供されている。このガイドでは、知能化の評価と計画の実施、スマート化の基礎能力の向上、高品質なデータセットの構築、計算資源の合理的な配置計画、モデルの選定とチューニング、モデルの導入と統合、AI応用のセキュリティ保護の徹底などについて詳細な指針を示し、企業の知能化・高度化に向けた実践的な道筋と方法を手取り足取り提供している。

経験に頼った資源採掘からスマートな探査へ、職人技による精錬からAIによる精密制御へ、このほど非鉄金属業界向けのAI大規模モデル「坤安2.0」が発表され、AI技術を非鉄金属工業の全プロセスに深く組み込む探求がさらに進展した。中国アルミニウム集団(Chinalco)の段向東(Duan Xiangdong)董事長は「過去1年間、わが社はAIを重要プロセスに応用し、100余りの応用シナリオの構築を進め、その中から52のシナリオを選定して公開した。業界向けの8つの高品質データセットを構築した」と説明する。

中国非鉄金属工業協会の葛紅林会長は「非鉄金属業界は製品の種類が多く、資源が複雑で、製造プロセスが高度に複雑化しているため、業界のデジタル化・知能化の発展には、技術の適合性、データガバナンス、連携、人材などの面で課題がある」と指摘する。このような業界特有の課題に対応するため、実施意見では、高水準の業界モデルを開発し、重点業界への応用強化を加速すると明確に打ち出している。

工業情報化省科技司の責任者は「各業界の特性、技術の成熟度、デジタル化のレベルなどの基本条件に応じて、業界ごとに異なるアプローチで製造業分野におけるAI応用を推進する必要がある」と述べ、「実施意見の付属文書『AIによる製造業重点業界の変革促進ガイド』が、原材料、設備製造、消費財、電子情報、ソフトウェア・情報技術サービスなどの各業界の特性に基づき、業界変革のための指針を提供している」と説明した。(c)People’s Daily /AFPBB News