【3月21日 AFP】英国の反移民を掲げる強硬右派政党「リフォームUK」のナイジェル・ファラージ党首は、首相に就任すれば、公共の場でのイスラム教徒の集団礼拝を禁止すると表明した。リフォームUKは現在、世論調査の政党支持率で、首位を維持しており、ファラージ氏は現在、次期首相の最有力候補と目されている。

英国では16日、ロンドンのトラファルガー広場で、イスラム教のラマダン(断食月)中、日中の断食を終え最初に食べる食事「イフタール」のイベントが開催された。このイベントはここ数日、政治的な議論の的となっており、中道左派・労働党のキア・スターマー首相は、イベントに反対した中道右派の野党・保守党の議員を批判している。

ファラージ氏は19日、このイベントを「われわれの生活様式をかき消し、恫喝(どうかつ)し、支配する試みだ」と非難。

「英国の史跡における、このような集団的かつ挑発的なデモを止めなければならない」と述べた。

スコットランド訪問中に、公共の場でのあらゆる集団的な宗教行事の禁止を支持するかと問わると、ファラージ氏は、「イエス」と答えた。

ユダヤ教やキリスト教カトリックの行事も含まれるのかと問われると、ファラージ氏は、「歴史的なキリスト教の礼拝所などでユダヤ教の礼拝が行われているのを見たことは一度もない」と回答。

「私たちはこの問題を正しく理解しなければならない。個人の祈りを止めることはできないし、止めたいとも思わない。しかし、公共の場での集団礼拝は禁止されている。イスラム教徒の公共の場での集団礼拝は、中東の多くのイスラム教国でも禁止されている」と述べた。

トラファルガー広場は、ネルソン記念柱をはじめとするランドマークや記念碑が立ち並ぶロンドンを象徴する公園で、集会やデモから文化行事、映画撮影まで、さまざまなイベントが頻繁に開催されている。

この議論は、保守党の広報を担当するニック・ティモシー氏がX(旧ツイッター)に「公共の場での集団礼拝は支配行為だ」「集団礼拝をしたいなら、モスク(イスラム礼拝所)でやればいい。しかし、公園や公共施設などの公共の場では歓迎されない」と書き込んだことがきっかけで始まった。

ティモシー氏の意見に対し、極右活動家のトミー・ロビンソン氏は支持を表明した。

一方、スターマー氏は、保守党のケミ・ベーデノック党首に対しティモシー氏の党籍剥奪処分を求めた。

これを受けてベーデノック氏は、保守党は公共の場での宗教行事を認めているが、それは「包括的かつ、英国文化を尊重するものでなければならない」と述べた。

イスラム教徒で、トラファルガー広場での集団礼拝にも参加したロンドンのサディク・カーン市長は、ティモシー氏の発言は保守党の「恥さらし」であり、「犬笛を吹く」ものだと非難した。

リフォームUKは1年以上にわたり世論調査の政党支持率で首位を維持しているが、ここ数か月はやや支持率が低下しているとする調査もある。次の総選挙は2029年まで予定されていない。

いわゆる「文化戦争」は近年、英国の政治論においてますます重要な位置を占めるようになっている。(c)AFP