ネタニヤフ氏、「キリストはチンギスハンに劣る」と発言 力なき正義は悪の前に無力と主張
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【3月21日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は20日、キリスト教の始祖イエス・キリストはモンゴル帝国の創始者チンギスハン(成吉思汗)に「劣る」とした前日の発言について、キリスト教徒の気分を害する意図はなかったと釈明した。
ネタニヤフ氏はX(旧ツイッター)に英語で、「イスラエルで保護され、繁栄しているキリスト教徒に対する私の態度について、またもやフェイクニュースが出回っている。はっきりさせておきたい。私は記者会見でイエス・キリストをおとしめたわけではない」と投稿。
「それどころか、私は偉大な米国人歴史家ウィル・デュラントの言葉を引用した。イエス・キリストの熱烈な崇拝者だったデュラントは、生存を確実にするには道徳だけでは足りないと述べている」「道徳的に優れた文明であっても、自衛力がなければ、冷酷な敵に屈する可能性があるということだ。(キリスト教徒の)気分を害する意図は全くなかった」と付け加えた。
ネタニヤフ氏は19日夜、外国メディアとのテレビ会見で、「残念ながら、そして嘆かわしいことに、イエス・キリストがチンギスハンに劣ることは歴史が証明している。なぜなら、十分な武力と影響力、冷酷さがあれば、悪は善に勝つからだ」と述べた。
さらに、デュラントの言葉を引用し、「攻撃(侵略)は平穏に打ち勝つ。だから選択の余地はない」と付け加えた。
ネタニヤフ氏はこの演説の中で、2月28日に米国と共同で開始した対イラン攻撃(中東紛争の引き金となった)を正当化し、イランの核・弾道ミサイル開発計画の脅威からイスラエルだけでなく「全世界」を守る最善手だったと主張した。
この発言はソーシャルメディアで激しい批判を巻き起こした。特にキリスト教徒たちは、「神の子」「平和の君」と見なすキリストと、13世紀にモンゴル帝国を建国し、中国から地中海までアジアを蹂躙(じゅうりん)したチンギスハンを比較したことに憤慨した。
キリストの生誕地とされるベツレヘム出身のパレスチナ人のルーテル派(ルター派)牧師、ムンター・アイザック氏はXで、ネタニヤフ氏の発言を「複数の点で侮辱的だ」と批判。
「これはイエスをチンギスハンと比較するだけでなく、イエスのやり方は愚直で世間知らずであり、冷酷な『力こそ正義』というアプローチこそが最終的に善が悪に打ち勝つ道だと示唆している」「ネタニヤフ氏とそのキリスト教シオニズムの支持者たちは、イエスの倫理を嘲笑している」と付け加えた。(c)AFP