中国の春季採用活発化、 AIスキルが就職の価値ある「通貨」に
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【3月27日 東方新報】「広西2026年春季人材交流大会」が7日、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)で開催され、700近い求人企業が3万以上の募集枠を用意し、人材を求めていた。
記者が現場で注目したのは、人工知能(AI)技術の普及によって就職の難易度の構造が変化していることだ。この変化が、求職者にとっては新たなハードルとなり、また新たなチャンスともなっている。
今回のイベントは、広西チワン族自治区で春以降最大の規模で最も広い範囲をカバーする「求人求職の祭典」である。人工知能、新エネルギー車、バイオ医薬、ハイエンド設備製造などの戦略的新興産業に関連するポストが焦点となり、多くのハイテク企業がAIエンジニア、人工知能アルゴリズムエンジニアなどの職種を募集し、一部のポストでは年収20万元(約457万6000円)を超えるものもあった。
「華勁集団(Hwagain)」は、竹と木の混合パルプを原料とする生活用紙の生産・販売の大型一貫企業である。同社の情報部門の責任者・寧宇(Ning Yu)氏はイベント当日、中国新聞社(CNS)の取材に応じ「今年初めてAI Agentエンジニアのポストを募集した。AIビッグモデルの開発・応用などの先端技術に対する高いスキルを求めた。この種のポストの年収は30万元(約686万4000円)から50万元(約1144万円)の間を考えている」と語った。寧氏は「現在のAI技術革命の波の中で、AI分野の人材需要は明らかに増加している。一部の職種では相応のAIリテラシーと応用能力を備えた求職者は非常に有利になる。わが社は新入社員に一定のAIスキルの習得を奨励している」と強調した。
地元の鉱山機械メーカー「広西美斯達工程機械設備(MESDA)」の梁永高(Liang Yonggao)業界総監は「わが社は世界をリードする自走式粉砕・ふるい分け設備メーカーだが、AI人材は大いに必要だ。技術開発はもちろん、製品応用、販売部門であれ、AIによる能力強化が必要だ」と述べている。同社はAI能力の高い人材を優先的に採用し、給与水準も一般のポストより高くする方針だ。
24歳の求職者、盧鑫(Lu Xin)さんは「AI能力はもはや技術職に限定されず、製品、運営、創作など多様な職能に急速に普及し、職場の汎用的スキルになりつつある。AIを使わないポストは、面接の機会すら得られないかもしれない」と話す。AIスキルは職場の「価値ある通貨」になりつつあり、彼が当日面接した数社はいずれもAIを駆使した実践能力と実際の問題解決能力を重視していたという。
春節(旧正月、Lunar New Year)後、中国では春季採用活動が本格的に始まり、各地で採用イベントが相次いで開催されている。科技革新の力強い発展と産業構造転換の持続的な推進によって、中国企業の雇用モデルと人材構造の再編が粛々と進み、複合型・技能型人材がますます重視されるようになっている。
このほど上海市で開催された春節後初の大規模な対面式就職説明会では、AI関連職種のポスト数が前年同期比で1割以上増加した。また、深セン市(Shenzhen)の春季募集の現場では、AI関連ポストの需要と給与の好条件が特に目立ち、アルゴリズムエンジニア、電子エンジニアなどの職種の年収は50万元(約1144万円)に達するケースも見られた。
業界関係者は「産業の高度化が雇用の高度化と人材需要の転換を促進している」と指摘する。AIが職場を再構築する時代に入り、求職者はAIとの協働能力をいかに高めるべきかという課題に向き合わなければならなくなっている。(c)東方新報/AFPBB News