【3月18日 AFP】米国家テロ対策センター(NCTC)のジョー・ケント所長(45)は17日、米イスラエルによる対イラン軍事作戦に抗議して辞任を表明し、「米国にとってイランは差し迫った脅威ではない」と述べた。

ケント氏はX(旧ツイッター)で公開したドナルド・トランプ大統領宛ての辞表で、「良心に照らして、イランで進行中の戦争を支持できない」と述べた。

陸軍特殊部隊「グリーンベレー」出身で戦闘任務を複数回経験したケント氏は、「わが国にとってイランは差し迫った脅威ではなく、この戦争はイスラエルと同国の米国内での強力なロビー活動からの圧力によって始められたことは明らかだ」と述べた。

トランプ氏によってNCTC所長に任命されたケント氏は、イラン攻撃に抗議して辞任を表明した初の米政権高官。

トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、ケント氏を「安全保障に関して非常に弱腰だ」と非難し、「彼が辞任したのは良いことだ」と述べた。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は、ケント氏の辞表にある「虚偽の主張」に反論し、攻撃開始決定が「他者の影響に基づいて」行われたという示唆は「侮辱的でばかばかしい」と述べた。

レビット氏は、「トランプ大統領が明言したように、イランが米国を先制攻撃することを示す強力かつ説得力のある証拠があった」「トランプ大統領は最終的に、イスラエルと共同攻撃によって、イランのテロリスト政権の先制攻撃で米国民の命が危険にさらされるリスクを大幅に減らし、米国の国家安全保障上の利益に対する差し迫った脅威に対処できると判断した」と述べた。

ケント氏の妻、シャノンさんも米軍所属で、2019年にシリアで自爆テロによって命を落とした。

「イスラエルが引き起こした戦争で愛する妻シャノンを失った戦死者の夫として、米国民に何の利益ももたらさず、米国民の命を犠牲にする大義もない戦争に、次世代を送り込み、死なせることを支持できない」とケント氏は記した。

■「偽情報キャンペーン」

ケント氏はNCTC所長として、トゥルシ・ギャバード国家情報長官の下で、テロの脅威に対する米国の対応を分析・調整し、トランプ氏の主要なテロ対策顧問を務めた。

ケント氏はトランプ氏に宛てた辞表で、「あなたは2025年6月まで、中東での戦争が、米国から愛国者の尊い命を奪い、わが国の富と繁栄を枯渇させるわなであることを理解していたはずだ」と主張し、「イスラエルの高官と影響力のある米メディア関係者」が、「イランとの戦争を促すために開戦機運をあおる」偽情報キャンペーンを行ったと非難。

「この情報操作は、米国にとってイランが差し迫った脅威であり、今すぐ攻撃すべきだとあなた(トランプ氏)を欺くために利用された」「これはうそであり、イスラエルがわれわれ米国民を悲惨なイラク戦争に引きずり込むために用いたのと同じ戦術だ」と付け加えた。(c)AFP