湖南湘江新区:老工場が「ニュートレンド」に乗る・中国
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【3月22日 People’s Daily】湖南省(Hunan)湘江新区観沙嶺街道の「長沙錦秀拾光街区」を散策すると、時がゆっくりと流れているかのように感じる。カフェや話題のレストランが軒を連ね、多くの市民や観光客が訪れている。数百メートル歩くと、敷地面積1万4400平方メートルの「錦尚生鮮市場」にたどり着く。活気あふれる雰囲気が漂い、市場の1日あたりの平均来場者数は約3万人、周辺の数十の居住区へのサービスをカバーしている。
街区内のくすんだ赤レンガの壁には、昔と現在を比較する写真が飾られている。数年前まで、このエリアはまだ機械の轟音が響き、紡績機が忙しく動く「長沙錦綸(ナイロン)工場」だった。かつてこの工場の供給科の科長だった聶磊(Nie lei)さんは、この工場エリアの変遷を目の当たりにしてきた。栄華から沈黙へ、そして沈黙から再び新たな生命を吹き込まれる様を目撃した。
聶さんは「このナイロン工場は1980年代に建設され、かつては長沙の重要な軽工業生産拠点だった。業績が良かった頃は、毎朝工場の入り口は車で混雑し、貨物待ちのトラックの行列ができていた」と振り返る。「90年代になると、工場は苦境に陥り、06年ついに操業を停止した。従業員の中には転職する者もいれば、自ら起業する者もいた」、古い工場が徐々に静まり返っていく様を見つめながら、聶さんはかつての活気あふれる日々を思い出し、懐かしんでいた。工場は長年の使用で老朽化し、損傷も進み、周辺に次々と建つ高層ビルとは対照的だった。工場は操業停止、再編を経て、その後「長沙博達資産管理」という資産管理会社に属し、新しい産業モデルの模索を続けてきた。
転機は20年に訪れた。中国の「第14次五か年計画(21-25年)」の計画綱要で、都市更新を加速し、老朽化した居住区、工場地区、街並み、城中村(都市部に取り残された村組織の管理が続く管理が遅れた地区)などの古いエリアの機能の改造・向上が明確に打ち出された。
「長沙錦綸工場」は長沙の都市更新重点パイロットプロジェクトに指定された。工場南側のエリアには「錦尚生鮮市場」と「錦綸1988美食街」が計画され、長沙市の「『一圈両場三道』重点都市インフラ整備プロジェクト」(生活に必要なインフラを15分圏内に配置する計画)に組み込まれた。また工場北側では長沙市初の「旧工業用地の有機的更新試行プロジェクト」である「錦秀拾光改造プロジェクト」が立ち上がった聶さんはこの知らせを聞いて「工場エリアが再び活気を取り戻す希望が見えた」と思ったと話す。
改造工事は、聶さんが所属する「長沙博達資産管理」が担当した。同社の党委員会の申朝暉(Shen Chaohui)書記は「プロジェクトのコンセプトは『都市型ニュートレンドマーケット』で、産業遺産の保護と継承、計画の革新と実施、建築の改修と設計、資産の再編と運営などをテーマに検討を進めた」と説明する。
「都市型ニュートレンドマーケット」とは、どのように造られるのか。
産業の刷新:仕事、生活、教育、レジャーを一体化させる。新規開発エリアと既存エリアの改修を組み合わせ、高密度のサービスアパートメントや商業サービス施設などの都市機能と、廃工場を改修した低密度空間を組み合わせた。
都市イメージの刷新:新旧が融合し、住みやすく働きやすい環境を創出する。飲食、生活サービス、レジャー・エンターテイメントなどの分野の有名ブランドが進出し、街並みはトレンドの中心地へと変貌した。
空間の刷新:工場敷地内の景観に産業的要素と現代的デザインを融合させる。小さな断片的な空間を統合・連結し、芸術性と実用性を兼ね備えた新たな「消費空間」を創り出した。
改修対象は約6万平方メートルにおよび、テナント誘致率は90%以上、市場の年間取引額は約10億元(約222億2000万円)近くに上った。そしてこの古い工場エリアは「公園型スマートグリーン文化街区」へと変貌し、生活空間、産業遺産、商業体験、健康的な生態環境などの要素が融合したエリアに生まれ変わった。
管理運営側の年間収入は379万元(約8421万3800円)から4000万元(約8億8880万円)余りに増加した。同時に、地域にも年間約5000万元(約11億1100万円)近くの税収と約4000人の雇用機会をもたらしている。
「ここは我々古くからの従業員の思い出が詰まった場所であり、今やネット上で話題のスポットでもある。今後街並みがますます賑やかになり、『一時的な人気』から『長く愛される場所』へと発展していってほしい」、聶さんは自身の思いをこう語った。(c)People’s Daily /AFPBB News