【3月20日  People’s Daily】中国の一人当たりの水資源保有量は世界平均の35%にとどまっており、そのうえ水資源の時間的・空間的分布は不均衡である。こうした状況下で持続可能な発展を実現するための根本的な解決策は、やはり「節水」であり、節水関連産業の発展が重要な道筋となる。
 
近年、中国各地・各部門は節水関連産業の発展をグリーン転換の重要な手段と位置づけ、政策策定、事業主体の育成、産業サプライチェーンの拡張、イノベーション促進に取り組んできた。これにより、多くのリーディングカンパニーが台頭し、産業チェーンは絶えず拡大し、節水製品はより多様化している。中国の節水関連産業の市場規模は推定7600億元(約17兆2064億円)を超え、グリーン発展の原動力が力強く湧き上がっている。

「節水レンガ(透水性ブロック)」には節水の鍵が隠されている。雨水収集モジュールを組み立てて地下を貯水池とし、雨水を収集し循環利用する。江蘇省(Jiangsu)宜興市(Yixing)の雨水収集システムの開発企業「国合緑材科技(江蘇)」の法定代表人・趙醒(Zhao Xing)氏の説明によると、雨水の高効率収集・再利用システムは「地下モジュール貯水+地上スマート処理」により、都市の街路が快適に「呼吸」をするシステムだ。

節水関連産業が新たな段階へと向かう背後には、急速に形成されつつあるクラスター発展の構図がある。現在、中国各地では産業ファンドが設立され、産業協会が組織され、リーディングカンパニーが川上・川下企業を牽引してクラスター発展を促進している。「北京市、天津市(Tianjin)、河北省(Hebei)」「長江デルタ」「粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area)」の三大産業集積地が引き続き先行する一方、「四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)から重慶市(Chongqing)を結ぶ地域」「山東省(Shandong)」「陝西省(Shaanxi)」など多くの設備製造・科学研究イノベーションの集積地区が勢いを増し、「三大地域と複数地区」からなる節水産業のクラスター発展の構図が形成されつつある。多極的な支え合いと協調的に前進する「産業エコシステム」が構築されつつある。

節水製品は質的に向上し、新たな供給が新たな需要を生み出している。広東省仏山市(Foshan)のバス・トイレ製品メーカー「恒潔衛浴(HEGII)」の生産工場では、生産ラインが秩序正しく稼働し、年間200万セットを超える節水型トイレがここから全国各地へ出荷されている。同社の謝振武(Xie Zhenwu)行政総監は「節水型トイレは1回の洗浄で最大2.5リットルの水が節約でき、販売は好調だ。わが社はグリーン消費の新たなトレンドに着目し、一連の節水製品を開発した」と語った。
 
節水製品の普及が加速し、グリーンなライフスタイルが消費の新たな可能性を引き出している。節水製品を「グリーン製品認証制度」に組み入れ、「水効率ラベル製品目録」を4回にわたって発表し、生活用水製品の11万モデルが網羅されている。消費財の買い替え支援政策や住宅・台所・浴室の「リニューアル」政策と連動させ、家庭用節水器具の更新を促進している。「公共機関節約用水管理弁法」などを制定し、全国100万以上の公共機関における節水器具の普及・更新作業を推し進めている。

関連する研究によると、例えば3人家族がトイレ、シャワーヘッド、洗濯機などを全て「節水等級2級」以上の製品に交換した場合、年間約70立方メートルの水道水を節約できるとしている。全国節約用水弁公室の蒋牧宸(Jiang Muchen)主任は「節水型器具の普及は、生活の質と水利用効率を向上させ、住民により多くの実質的な利益をもたらす」と説明する。

節水産業自体の質の高い発展を常に目指すと同時に従来型産業の徹底的な転換を促進することで、発展空間が広がっている。浙江省(Zhejiang)紹興市(Shaoxing)柯橋区にある織物の染色加工企業「伽瑞印染(Jiarui Yinran)」の工場では、白い生地がプリント柄の布になるまで、糊抜き・精練・漂白、プリント、水洗いなどの各工程に水が欠かせない。

同社の徐順勇(Xu Shunyong)総経理は「高効率油圧プレスローラーや高効率省エネ二重ドラム式蒸気乾燥シリンダーなどの設備を導入し、各工程で水を節約した結果、毎年の節水率は20%を超え、生産コストを直接年間100万元(約2264万円)以上削減した」と説明する。

かつては、過剰な水使用と排水が産業の発展の足かせとなっていた。柯橋区農業農村局の裘剣平(Qiu Jianping)氏「節水優先が産業のアップグレードを促している」と強調する。同区は布地プリント企業に対し節水技術の改造・高度化を指導し、「産業集積+汚水処理+再生利用」の三位一体の再生水利用システムを構築した。昨年全区の再生水利用率は40.1%に達したと見られる。

節水はすなわち排出削減、節水はすなわち汚染対策、節水はすなわち炭素削減である。節水関連産業はグリーンで低炭素な産業の重要な構成部分である。「第14次五か年計画(2021-2025)」期間中、中国の水使用の総量は「ゼロ成長」を達成した。25年の「国内総生産(GDP)1万元(約22万6400円)当たりの水使用量」と「工業付加価値額1万元当たりの水使用量」は「第13次五か年計画(2016-2020)」の期末(20年)と比較して、それぞれ20%と25%減少する見込みだ。一滴の水が映し出すものは、広大な発展の可能性だ。27年までに中国の節水関連産業は1兆元(約22兆6400円)規模に達すると予想されている。(c)People’s Daily /AFPBB News