パキスタン、アフガン首都空爆 薬物更生施設直撃で死者多数
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【3月17日 AFP】アフガニスタンのタリバン政権は17日、パキスタン軍が首都カブールにある薬物中毒者の更生施設を攻撃し、多数の民間人が死亡したと発表した。パキスタン側は施設への意図的な攻撃を否定し、テロリストの拠点を標的とした「精密攻撃」だったと主張。双方の言い分が真っ向から対立している。
16日午後9時(日本時間17日午前1時30分)ごろ、ラマダン(断食月)の断食明けの食事を終えた市民で賑わうカブール市内に激しい爆発音が響き渡った。タリバン側も対空砲火で応戦し、外出中だった市民はパニックに陥り、避難を余儀なくされた。
タリバン政権のザビフラ・ムジャヒド報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、パキスタンが「再びアフガン領土を侵犯した」とし、攻撃を非人道的な犯罪だと厳しく批判した。
攻撃を受けた更生施設には多数の救急車や消防車が急行。AFPの記者は、少なくとも30体の遺体を確認した。
しかし、保健省のシャラファト・ザマン報道官は、暫定報告として死者と負傷者がそれぞれ200人を超えていると述べたほか、別の政府高官は、死者数はその2倍(約400人)に達する可能性があると指摘した。
現場の警備員は、周辺に展開していた軍部隊がジェット機に向けて発砲した直後に爆弾が投下されたと証言。「死傷者は全員民間人だ」と述べた。
両国の国境紛争は昨年10月に激化し、一旦は沈静化したものの先月から再び衝突が起きている。パキスタン側は現状を「全面戦争」と表現している。
パキスタン政府は、タリバン政権が「越境テロ」を行う過激派を匿っていると主張しており、16日にも東部ナンガルハル州を標的に攻撃を行った。情報省は「巻き添え被害がないよう慎重に実施した」と強弁している。
中国などが紛争の調停に乗り出し即時停戦を促しているが、事態打開の兆しは見えていない。国連によると、一連の衝突により約11万5000人が避難を強いられており、地域情勢のさらなる不安定化が数百万人の飢餓を招く恐れがある。(c)AFP