【3月26日 CNS】2026年の政府活動報告に、初めて2つの新しい言葉が登場した。「知能体(AIエージェント)」と「知能経済新形態」だ。これらの「新語」は突然登場したものではないが、全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)という最重要なステージで注目されるほど強いシグナルを発する言葉である。

国家発展改革委員会の鄭柵潔(Zheng Shanjie)主任は3月6日の「第14期全国人民代表大会第4回会議」の経済テーマの記者会見で、「『人工知能+(プラス)』行動を深化させ、あらゆる産業・分野にパワーを注入し、全ての一般世帯にサービスを提供し、『第15次五か年計画(2026-2030)』の期末までに、AI関連産業の規模を10兆元(約228兆8000万円)以上に成長させる」と述べた。

「知能経済」を成長する熱帯雨林に例えるなら、「知能体」はその中でも最も活力に満ちた新しい植物種だ。AIチャット対話から進化したこの技術は、核心的能力において「質問に答えること」から「問題を解決すること」へと飛躍した。知識を呼び出すだけでなく、自ら計画を立て、論理的な推論を行い、動作の実行中にその動きを随時調整することも可能なのだ。

「『知能体』がタスクを実行する際には、ステップを繰り返し分解し、試行錯誤しながら探索する必要があり、消費する『トークン』(大規模モデルのテキスト処理の最小単位)の数は、チャットシナリオの数百倍に達する」、全国政治協商会議の周鴻禕(Zhou Hongyi)委員はその背後にあるコスト構造をこう指摘する。「トークン」、中国語で「詞元」と呼ばれるこのAI世界における最小の計量単位は、今や国家のAIの実力を測る重要な物差しとなっている。

この物差しにおいて、中国のAIはついに米国を追い越した。世界最大の大規模モデルアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)統合プラットフォーム「OpenRouter」のデータによると、2月28日時点で、同プラットフォーム内のトップ10モデルの総トークン消費量は28.7兆を突破し、中国モデルが米国を初めて上回り、単月シェアで過半数を占めた。

これは一過性のものではない。本稿執筆時点(3月6日)で「OpenRouter」プラットフォームの月間ランキングは、依然として中国モデルがトップの座にあり、上位5位のうち3つを中国モデルが占めている。今や中国の「MiniMax」「Kimi」「深度求索(DeepSeek)」が、世界中の開発者にとって優先的な選択肢となりつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News