【3月22日 CNS】「去年の春節(旧正月、Lunar New year)はDS(深度求索<DeepSeek>)、今年の春節はSD(Seedance)だ」

最近、新世代のAI動画生成モデル「Seedance2.0」が大きな話題を呼び、その出来栄えにゲーム黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)の制作人である馮驥(Feng Ji)氏は「衝撃的だ」と驚きを隠さず、しかもそれが中国発であることを喜んだという。米起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏も「モデルの進化が速すぎる」と感嘆した。

実のところ、DeepSeekからSeedance2.0に至る流れは、この1年の中国の民営経済が強い逆風の中で前に進み、粘り強く成長してきたことを、そのまま映し出している。

時を2025年2月17日に戻すと、民営企業座談会が開かれた。高いレベルで開かれたこの座談会は、民営企業にとってまさに「安心材料」をタイムリーに届けるものとなり、民営経済の発展と拡大を後押しする強いシグナルを発し、民営企業の自信を大きく高めた。

当時、多くの民営企業は、ちょうど苦しい局面を乗り越えようとしている最中だった。外部には世界情勢という荒波があり、内部には転換・高度化に伴う痛みと圧力があった。だがこの座談会によって、企業家たちはより安心して成長戦略に集中できるようになった。座談会がもたらした自信と、打ち出された施策は、民営企業が突破口を開き成長するための行動力へと変わっていった。この1年、中国の民営企業は、伝統産業で変革と高度化を進める一方、新たな分野でも先手を打って参入し、実干と革新によって、目新しい成果を示した。

座談会で発言した6人の民営企業家代表の一人である農牧企業の新希望集団(New Hope Group)創業者・劉永好(Liu Yonghao)氏は、「三里河中国経済観察」に対し、現在は経済発展モデルが転換しており、高い成長率の追求から高品質な発展へ移っていると語った。どちらも「高」だが、本質は異なる。いま市場が求めているのは、より安全で、品質が高く、特色のある製品であり、新たな質の生産力によって、伝統産業を新たな枠組みの下で更新・高度化していかなければならないという。

劉永好氏は、この1年、経済の転換・高度化に伴う圧力と難題、そして複雑に絡み合う国際環境に直面しながらも、新希望は「不安にならない、投げ出さない、困難を恐れない」という姿勢を貫き、圧力を転換の原動力に変えたと述べた。科学技術の力で既存事業を再活性化させ、自社の資源優位を生かして新規事業を着実に拡大し、将来の成長を支える中核エンジンとして位置づけたという。業界の調整期を、内功を鍛える「研ぎの時期」と捉えた結果、農牧部門では養豚コストが大幅に下がり、乳業は逆風下でも売上が伸び、利益も大きく増えたとした。

同じく座談会に参加した化学、物流、都市産業開発などを展開する伝化集団(Transfar)の徐冠巨(Xu Guanju)董事長は、ここしばらくは科学技術の急速な発展や、世界構造の大きな再編といった挑戦に直面し、転換・高度化という課題が目の前に突きつけられていたと率直に語った。

化学工業などの分野で40年にわたり事業を深耕してきた伝化集団は、一方でグローバル展開を加速させ、海外売上が製造業売上に占める比率を25%まで高めた。他方で、産業配置を新たな質の生産力の方向へ転換・高度化させ、AI革命、バイオテクノロジー、エネルギー革命という三つの戦略方向へ、揺るぎなく歩みを進めている。老舗の民営企業が新たな質の生産力によって「老木に新芽を出す」一方、新興分野の民営企業も頭角を現している。

小米科技(シャオミ、Xiaomi)の雷軍(Lei Jun)董事長兼CEOは、この1年は「自信がより強くなり、環境はより良くなり、底力もより厚くなった」と感じたと語った。最も際立つ変化は、法治化されたビジネス環境の改善が続き、民営経済促進法が正式に施行されたことで、民営企業にとって大きな安心材料になった点だという。この1年、政策支援はより的確になり、民営企業の合法的権益も、より力強く守られるようになったと述べた。

この1年の歩みを振り返り、雷軍氏は、民営企業の発展は国家と歩調を合わせ、高品質な発展戦略に沿い、実体経済に立脚し、本業に集中し、革新を貫くことで、はじめて持続的で安定した成長が可能になると語った。過去5年で同社は「ハードコア技術」の深い領域へ踏み込み、累計で巨額の研究開発投資を行い、基盤となる中核技術で突破を実現し、「人・車・家の全エコシステム」も正式に一つの循環として完成したという。

同じく参会した音声認識大手「科大訊飛(アイフライテック、iFLYTEK)」劉慶峰(Liu Qingfeng)董事長は、人工知能は、ますます多くの目に見えて手に触れられる場面で、統計データで示せる事業効果を実現していると語った。

劉慶峰氏によれば、民営の科学技術企業には三つの重大な戦略的機会がある。第一に、AIの大時代において、民営の科学技術企業は国家の中核戦略におけるイノベーションの重責を平等に担い、成果を出すべきだという点。第二に、民営企業のイノベーション制度の強みを生かし、応用面の革新と基礎となる技術革新の双方で、より積極的かつ迅速に先頭に立つこと。第三に、海外展開である。多言語技術を土台に、柔軟な仕組みと機敏な探索力を武器に、国際協力の中で機会をつかむこと。これらはいずれも、民営企業が大きな仕事を成し遂げる重要分野だという。

民営企業の成長と突破は、自らの奮闘によるところが大きいが、政策による後押しも欠かせない。

国家の民営企業支援は実効性のあるものだ。座談会後、各地・各部門が集中的に動き、連携して施策を打ち出し、民営経済の発展を支えている。民営経済促進法が正式に施行され、法律の面から民営企業を後押しし、市場競争への平等な参加を保障した。市場参入は引き続き緩和され、企業への未払い債務の整理・解消も強化され、金融支援もさらに上積みされている。2026年の年初には、民営企業向けに1兆元規模の再貸出枠を別枠で設けたという。

また、国家発展改革委員会は、国家・省・市・県の四段階の発展改革部門と民営企業が、常態的に意思疎通する仕組みを整備した。民営経済発展の総合サービスプラットフォームも安定して運用され、民営企業にとって効率的な連絡ルートと支援の橋渡しとなり、企業の要望にタイムリーに応え、発展上の難題の解決を後押ししている。

政策に温かみがあってこそ、民営企業は腰を据えられる。参会した中国乳業大手・飛鶴(Feihe)の冷友斌(Leng Youbin)董事長は、飛鶴が液体タイプの乳児用調製製品の登録申請について提案したところ、改正後の食品安全法で、乳児用調製の液体乳が登録管理に組み込まれることが明確になったと語った。これにより、高品質なイノベーションである限り、国家は必ず「やり遂げ、やり切る」ことを支えてくれるのだと実感したという。国家が民営企業にこれほど良い条件を整えてくれているのだから、なおさら雑念なく本業を守り、実体経済を強くしていきたいと述べた。

困難でも倒れず、しなやかで、しかも結果を出す。この1年の中国の民営企業は、容易ではなかったが、実に並外れていた。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News