知的財産権で農村産業の高度化を支援・中国
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【3月18日 People’s Daily】深い山間部で育ったコーヒー豆がなぜ海を越え、国際舞台で輝きを放つことができるのか?小さなイチゴがどうして融合的に発展する産業回廊(ルート)を牽引できるのか?
中国各地の農村を歩くと「良い製品が良い値で売れない」というジレンマから脱却し、地域発展の「ゴールドカード」と言える郷土の優れた産物がますます増えていることに気が付く。その秘訣は、製品の品質にあると同時に、「知的財産権」という5文字にある。
農村の全面的な振興の過程で「知的財産権」は日増しに重要な役割を担っている。それはすでに単なる法律上の概念を超え、農民たちの「金の天秤棒」へと変貌を遂げている。
知的財産権の役割は、まず「権利の確定」にある。それは法律をもって農村産業の「財産」に明確な境界線を引くことだ。最も直感的なものでは、「地理表示」という「風土の名刺」だ。「三亜(Sanya)マンゴー」から「柞水(Zhashui)黒キクラゲ」に至るまで「地理表示」の認証は、ある土地の独特な産物に「偽造防止のスタンプ」を押すことに等しく、真の「良き山、良き水」が胸を張って「良い物を産出し、良い値で売る」ことを可能にしている。このいわば「城を守る堀」は、その土地の名声を守ると同時に、数え切れない世帯の生計をも守っている。
知的財産権の保護は、同時にイノベーションの源泉を守ることを意味する。種子は農業の「ICチップ」である。一部の「模倣品種」は元の品種を単純に模倣・改変して市場に蔓延させ、競争秩序を乱すだけでなく、育種者のイノベーション意欲を著しく減退させる。
現在、中国は「国家作物種質資源庫」の設立から「種業振興行動計画」の全面的実施、さらに侵害行為の厳しい取り締まりに至るまで、育種イノベーションのための全チェーンにわたる保護体系を構築しつつある。このような保護は、研究開発者のイノベーションへの情熱を守り、農業科学技術の原初的なイノベーションの基盤を強固なものにする。
知的財産権の価値は、それが一連の「化学反応」を引き起こし、農村産業の格上げ・高度化を力強く促進する点にもある。それは技術の刷新を触媒する。育種を例にとると、知的財産権によるイノベーション奨励の下で、ますます多くの種子企業が資源を投入して、イノベーションに取り組む勇気と意欲を持つようになった。
かつての育種は「人海戦術」と経験則に依存していたが、科学技術の力が付与されることで、農業育種は「天候まかせ」の経験作業から、予測可能で高効率な「精密工業」へと変貌を遂げ、高収量で高品質、環境ストレス耐性の強い画期的な数多くの品種が次々と生み出されている。
それは価値の飛躍を触媒する。知的財産権によって形成されるブランド効果は、産業チェーンの延伸を効果的に促進しうる。江蘇省(Jiangsu)句容市(Jurong)は、「句容イチゴ」という地理表示の看板ブランドを武器に、単なる栽培業から脱却した。特色ある販売ルートを創り出し、イチゴ摘み観光、飲食、レジャーを連携させ「一つの果実」から融合発展する産業チェーンを生み出した。その背景には、知的財産権がもたらす「ブランド価値」の向上と産業の可能性の広がりがあり、「製品を売る」段階から「風景、体験、文化を売る」段階へと農業をグレードアップさせ、産業の付加価値と発展の余地を大きく拡大した。
それは資源の活性化を触媒する。資源庫に眠る種質は、単なる標本に過ぎない。眠れる資源を呼び覚まし、それを利用してこそ、種質資源の優位性を十分に発揮させることができる。このほど「全国作物種質資源情報プラットフォーム」が稼働を開始し、より多くの種質資源の検索・共有・利用が可能になった。この財産権の保護を前提とした共有利用は、「情報の孤島」を打破し、育種専門家が先人の成果を礎に、より高度なイノベーションを行うことを可能にするとともに、より多くの貴重な種質資源の「活用」にも資するものだ。
現代農業の発展は、すでに体力に頼る段階から技術とイノベーションに頼る段階へと移行している。知的財産権を絶えず活用することで、中国各地は農村の全面的振興のために、途切れることのない原動力を注入し続けている。(c)People’s Daily /AFPBB News