【三里河中国経済観察】広東省貿促会会長:内外連携強化で海外展開後押し
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【3月21日 CNS】世界の貿易構造が急速に再編されるなか、中国の対外貿易はどのように新たな局面を切り開いていくのか。政府と企業を結び、国内外をつなぐ役割を担う各地の貿促会は、企業の海外展開や市場の多角化を後押ししている。
2025年、広東省(Guangdong)のモノの貿易における輸出入総額は9兆4900億元(約21兆7581億円)に達し、過去最高を更新した。全国首位を40年連続で維持している。広東は、中国の対外貿易を支える重要地域であり、改革開放の最前線であると同時に、海外企業の誘致や対外投資でも先行してきた地域だ。「第15次五か年計画(十五五)」期のスタートと粤港澳大湾区建設がさらに進む重要な年を迎えるなか、国際貿易を取り巻く環境は厳しさを増しており、対外経済に強みを持つ広東には、これまで以上に大きな役割が求められている。
こうしたなか、広東省貿易促進会(広東省貿促会)の党委書記兼会長を務める陳小鋒(Chen Xiaofeng)氏はこのほど、「三里河中国経済観察」のインタビューに応じ、今後は粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)における連携をさらに深めるとともに、広東企業の海外展開を後押しし、中国国際サプライチェーン促進博覧会(鏈博会)などの場を活用して、広東企業と国際的な産業チェーン・サプライチェーンとの結びつきを一段と強めていく考えを示した。
◾️粤港澳大湾区の連携をさらに深める
近年、広東、香港、マカオの経済界の交流と経済・貿易面での協力は着実に進み、粤港澳大湾区建設も新たな段階に入っている。陳小鋒氏は、広東省貿促会がここ数年、粤港澳大湾区における経済界の交流と協力の促進に力を入れてきたと説明する。
過去1年、広東省貿促会は、大湾区会展業連盟の設立を主導し、大湾区発展工商ラウンドテーブル会議を開催するなど、広東、香港、マカオの制度面の連携を後押ししてきた。また、「粤港澳大湾区サプライチェーン促進報告」や「中国(広東)自由貿易試験区臨時仲裁ガイドライン」を公表し、越境金融、商事法務、産業協力などの面でも三地域の連携を進めてきた。
陳小鋒氏は、2026年も広東省貿促会は引き続き粤港澳の経済・貿易の一体化を深め、「粤港澳大湾区サプライチェーン促進報告」を発表するとともに、会展産業の協力に重点を置き、三地域の業界連携の仕組みを円滑に機能させ、会展経済の発展を促していく考えを示した。こうした取り組みによって、大湾区は地理的につながるだけでなく、三地域が一体となって経済・貿易を発展させる基盤をさらに強めていくことが期待されている。
◾️広東企業の海外展開を後押し
現在、広東省の企業は地理的条件や産業集積、政策面の優位性を背景に、国際市場への進出を加速させている。データによると、「第14次五か年計画(十四五)」前半4年間で、広東省の対外直接投資は年平均7.4%増加し、その規模は引き続き全国首位を維持した。企業が積極的に海外市場に乗り出すなか、広東省貿促会は、展示会への参加支援、サービスプラットフォームの整備、海外商会の設立、行政サービスの向上などを通じて、企業の安定した海外進出を支援している。
陳小鋒氏によると、過去1年で広東省の貿促会は企業を組織して国内外の展示会60回以上に参加させ、新たに4つの海外広東商会の設立を後押しした。現在は、50の海外広東商会と31の海外駐在経済貿易代表処からなるネットワークが整い、第1陣となる海外広東商人貿易投資サービスセンターも設立された。
商事認証サービスでも実績を伸ばしている。2025年、広東省の貿促システムが発給した原産地証明書など各種証書は300万件を超え、前年比30.9%増となった。全国の貿促システム全体の3分の1以上を占め、引き続き全国トップとなっている。陳小鋒氏はまた、2026年も「百展万企拓市場」行動を継続し、100回を超える海外重点展示会や経済・貿易交流活動を実施して、1万社以上の広東企業による海外市場開拓を後押しするとともに、広東の貿易分野におけるデジタル化を進め、国際市場との接続を強めていくと述べた。
◾️重点分野は新エネルギーと越境EC
具体的な海外展開の重点分野として、陳小鋒氏は二つを挙げた。一つは、新エネルギー産業チェーンの国際市場への進出加速だ。昨年、広東省貿促会は広東の新エネルギー車関連産業チェーンを率いて東南アジア諸国連合(ASEAN)市場の開拓を進めたが、今年は広東企業の海外進出支援計画を軸に、新興市場との協力をさらに強めていくという。
もう一つは、越境ECを通じて広東の特色ある産業集積の海外展開を後押しすることだ。現在、越境ECは新たな活力を持つ貿易形態として存在感を高めており、広東省貿促会はこれを通じて広東各地の特色ある産業の発展を促し、新たな消費市場の開拓につなげていく考えだ。陳小鋒氏は、貿促会がすでに複数の越境ECプラットフォームの整備を進めており、広東省内100以上の県域にある特色産業集積をカバーしていると説明したうえで、2026年もこれらの産業集積とECプラットフォーム、さらに海外販売網との結びつきを強め、より的確で効率的な海外展開を実現していきたいと述べた。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News