【3月11日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が国務次官補(国際機関担当)に指名したジェレミー・カール氏は10日、ユダヤ人と黒人が影響力を持ちすぎているという過去の発言に対する非難を受け、指名を辞退した。

保守系シンクタンク、クレアモント研究所のシニアフェローで、移民や多文化主義への批判を主な研究対象とするカール氏は、トランプ氏に国務次官補に指名され、国連に関する米国の意思決定を主導するはずだった。

この人事には上院外交委員会の民主党議員全員が反対したため、共和党議員全員の承認を得る必要があったが、カール氏はX(旧ツイッター)への投稿でそれが得られなかったことを認めた。

「残念ながら、現時点では全員からの承認は得られなかった」とつづり、トランプ氏とマルコ・ルビオ国務長官の支持に感謝し、自身の指名は政権が「これまで通りのやり方」を貫いていないことを示していると述べた。

穏健派と目される共和党のジョン・カーティス上院議員(ユタ州選出)が、「彼の反イスラエル的な見解とユダヤ人に対する無神経な発言は、指名された地位にふさわしくない」として、この人事に反対を表明していた。

民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務が引用した過去の発言によると、カール氏は「ユダヤ人は被害者ぶるのが大好きだ」として、歴史的にユダヤ人は債務者などを「抑圧的」に支配する職業を選んできたため、反発されるのは当然だと述べた。

カール氏はまた、奴隷制が廃止された6月19日を連邦祝日「ジューンティーンス」と制定されたことについても、「人種問題を悪用し、白人を辱める」行事だと非難している。

上院では、ピート・ヘグセス国防長官など、一部の議員が懸念を示した指名についても、共和党が承認するのが通例で、トランプ氏が指名した候補が上院での承認を得られなかったのは異例。

トランプ氏自身も人種問題に関する含みのある発言で知られており、最近ではミネソタ州でソマリア系米国人による大規模な公金詐取事件が起きたのを受け、ソマリア人を「ごみ」と呼んだ。(c)AFP