北朝鮮の戦略的沈黙、中東情勢に距離を置く内政優先の構え
このニュースをシェア
【03月08日 KOREA WAVE】北朝鮮が、米国とイスラエルによる対イラン軍事行動について、予想よりも沈黙を保っている。先月28日の空爆開始直後に外務省声明で一度だけ攻撃を非難した後、追加の反応を示していない。情勢の推移を見極めながら、メッセージの強度を調整する「様子見型対応」を取っているとの見方が浮上している。
北朝鮮は現在のところ、イランの最高指導者ハメネイ師が排除された事実そのものを報道していない。2日に朝鮮労働党機関紙・労働新聞が掲載した外務省声明でも、「米国の積極的な支援と庇護の下で開始されたイスラエルの対イラン軍事攻撃、そしてそれに加担した米国の軍事行動」と言及するにとどまった。
これは一人支配体制の北朝鮮にとって、37年間にわたり強権統治を続けた指導者が米国によって瞬時に排除された事実を公にすること自体が負担である可能性を示している。北朝鮮が今回の事態を軽視しているのではなく、「戦略的沈黙」を維持している可能性があるとの見方につながっている。
外務省声明以降、北朝鮮はこの問題について一切言及していない。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は1日、祥原セメント連合企業所を視察して生産成果を激励し、3日と4日には2025年に建造された5000トン級の新型駆逐艦を訪れ、核弾頭搭載が可能とされる戦略巡航ミサイルの試験発射を視察した。だが、その過程でも中東情勢への言及はなかった。
この対応は、2003年の米国によるイラク侵攻当時、最高指導者だったキム・ジョンイル(金正日)総書記が約50日間にわたり公開活動を中断したのとは対照的だ。一部では、北朝鮮が最高指導者の公開活動を継続的に示すことで、現在の情勢が自国とは異なることを強調しようとしているとの分析も出ている。
一方で、北朝鮮が従来のような「宣伝戦型外交」を控えつつあるとの評価もある。キム総書記は先月開かれた第9回朝鮮労働党大会で外交の幅を広げ、「党中央」、すなわち最高指導部が外交案件を直接管理すると表明した。これに伴い、抑制されたメッセージを発しつつ当事国と直接対話する外交を志向しているとの見方もある。
実際、イランのサイード・クゼチ駐韓大使は最近の記者会見で「北朝鮮が今回の事態を非難する立場を示したことに感謝する」「イランへの攻撃に沈黙することは、米国とイスラエルの攻撃に同意することに等しい」と指摘し、北朝鮮の支持に謝意を示した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News