【3月6日 AFP】英国のシャバナ・マフムード内相は5日、人権団体からの批判や、与党・労働党からの左派離れの懸念にもかかわらず、移民に対する強硬姿勢を強めた。

マフムード氏は、法律違反や不法就労をした難民認定申請者は、政府借り上げのホテルから退去させられ、保護費も受け取れなくなると発表した。

これらは、不法移民の削減を目的にデンマークの厳格な難民制度をモデルとした制度の抜本的な見直しの一環。

マフムード氏は演説で、英国境に「秩序と統制を回復」しているところであり、難民制度の見直しは「厳格かつ公正」であると主張し、新たな安全で合法的なルートを設置すると付け加えた。

だが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、この最新の措置は「懲罰的な打撃」であり、「申請の決定を待つ間、人々を貧困、ホームレス、搾取に追い込むリスクがある」と批判した。

マフムード氏の改革は、ナイジェル・ファラージ党首が率いる、反移民の強硬右派政党「リフォームUK」への支持をそぐための試みだと見なされている。

リフォームUKは1年間にわたり世論調査の政党支持率で首位を維持しているが、政府がフランス北部から小型ボートで密入国する大勢の不法移民を阻止できていないことが追い風となっている。

マフムード氏の姿勢は、先週行われた下院議員補欠選挙で、中道左派・労働党の伝統的な牙城である選挙区を急進左派の緑の党に奪われた一因だと考えられている。

マフムード氏は、ファラージ氏の「跳ね橋を上げて世界を閉ざすという悪夢」と、緑の党のザック・ポランスキ党首の「オープン・ボーダー(国境開放)というおとぎ話」の間には「中道」があると述べた。

同伴の子どもを含む難民の地位を一時的なものとするマフムード氏の改革は、今週施行された。

難民の地位は2年半ごとに見直され、難民は母国が安全だと判断された時点で強制的に帰国させられる。

また、難民が永住権(無期限滞在許可、Indefinite Leave to Remain)を申請するのに必要な在留期間も、現行の5年間から20年に増やす。

マフムード氏は今週、難民認定申請者に対する広範な取り締まりの一環として、アフガニスタン、カメルーン、ミャンマー、スーダン出身者への学生ビザ(査証)の発給を停止すると発表した。アフガン人に関しては就労ビザの発給も停止する。

内務省によると、これらの国出身の学生による難民認定申請が急増しており、2021年以降、合法的なルートで英国に入国した難民認定申請者の総数は約13万5000人に達した。(c)AFP