【3月10日  People’s Daily】チベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市(Shigatse)ティンリ県長所郷・茶江村に建つ新築の赤と白のチベット様式の小さな家は、ソナム・ドルジェ君の家だ。戸外の最低気温は摂氏マイナス20度にもなるが、家の中には湯気の立つバター茶の香りが満ちている。

14歳のソナム・ドルジェ君は走ったり飛び跳ねたり、元気いっぱいだ。1年前のティンリ地震で彼は瓦礫の下敷きになり、両足を骨折した。救助隊員に瓦礫の中から救出された瞬間は、今でも鮮明に覚えているという。「大きくなったら消防士になって、もっとたくさんの人を助けたい!」ソナム・ドルジェ君は未来に期待を膨らませる。

2025年1月7日、ティンリ県でマグニチュード6.8の地震が発生した。この1年、チベットは幾多の困難を乗り越え、瓦礫の上に新しい家々を築き上げた。累計2万2000戸余り、延べ面積310万平方メートルの住宅を再建し、1万500戸余りの民家を補修・耐震補強を行った。道は平坦で、小さな家々が立ち並ぶ。サッカー場では子どもたちが走り回り、遊び戯れている。ティンリ県長所郷森嘎村では、さまざまな付帯施設が整備されている。

「上海の友人たちが我々のために新しい家を建ててくれた!」村に住むノルブさんは施工スタッフたちと深い友情を育み、自ら作業を手伝っただけでなく、進んで施工チームと地元村民の通訳を引き受けた。センガ村はディンリ地震で最も被害が大きかった村の一つで、上海市がこの村の全村再建を担った。「我々は家屋の耐震基準向上に注力するだけでなく、緑豊かで住みやすい現代的な新しい村づくりに全力を尽くしている」、再建工事を請け負った大手ゼネコン「上海建工グループ」の総元請け部プロジェクト総監・庄亦農(Zhuang Yinong)氏はこのように話している。

「一方に困難あれば、八方から支援が集まる」、計画段階では、国家発展改革委員会、住宅・都市農村建設部などの政府部門が指導と支援を与えた。設計段階では、チベット自治区が同済大学(Tongji University)などの機関から1000人以上の専門技術者を招き全面的に参加させた。建設期間中は、全国各地の134社の企業、2600人以上の施工管理職員、6万1000人以上の施工作業員が昼夜を問わず連続作業を行い、47の郷・鎮の1032か所の建設任務を見事に完遂した。

復興過程では、民生と産業回復の両立が重視された。厳冬の季節、ディンキェ県東熱村の飼料協同組合の工場内では機械が轟音を響かせ、飼料用牧草が加工され整然と梱包されていた。将来性を確信した村民たちは相次いで協同組合に出資した。25年末までに、協同組合の売上高は65万元(約1461万円)余りに達し、数十世帯の村民の収入増加につながった。産業が興り、民生は安定する。シガツェ市は被災県における飼料産業建設・レベルアップ事業の実施を加速し、被災地の自主的発展能力を効果的に高めている。

このほか、シガツェ市は「労働による救済(以工代賑)」、就業支援、技能訓練などの施策を強力に推し進め、被災地の住民を広く動員して瓦礫撤去や補修・耐震補強などの作業に従事させ、11万5000人が恩恵を受け、11億6400万元(約261億6672万円)の収入創出を実現し、被災地住民の獲得感(満足度・幸福感)を高めた。チベット自治区党委員会の王君正(Wang Junzheng)書記は「災害復興作業を『重要政治任務・重大民生プロジェクト』として常に緊急かつ着実に推進し、『地震が発生年の年内に再建、年内に入居』という作業目標を実現した」とその成果を語った。(c)People’s Daily /AFPBB News