【3月3日 AFP】少女らへの性的人身取引の罪で起訴され、勾留中に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の事件をめぐり、米下院監視委員会の召喚に応じたビル・クリントン元大統領の証言動画が2日、公開された。動画の中でビル氏は、エプスタイン元被告の犯罪行為について「何も知らなかった」と述べている。

ビル氏はまた、元被告と交友関係にあったドナルド・トランプ大統領についても、「エプスタインに関して不適切なことに関与していると思わせるようなことは、何も言わなかった」と証言した。

ビル氏と妻のヒラリー・クリントン元国務長官は先週、元被告と共犯者のギレーヌ・マクスウェル受刑者について調査する共和党主導の同委員会から、非公開で証言を求められていた。今回公開された動画は、それぞれ約4時間半に及ぶ。

動画の中でヒラリー氏は、元被告とは面識がないと述べた。一方、ビル氏は、2008年に元被告の犯罪が発覚する前に、関係を断ったと説明している。

ビル氏は2000年代初頭、クリントン財団の人道支援活動のために元被告のプライベートジェットに数回搭乗したことは認めたが、「彼が女性の人身売買をしていると気づかせるようなことは何もなかった」と証言した。

マクスウェル受刑者らから紹介された若い女性らと性的接触があったかとの質問には「ない」と否定した。

さらにビル氏は、2002年か03年にゴルフ場でトランプ氏と交わした会話に触れ、「トランプ氏は当時、エプスタインとの不適切な関与を疑わせるようなことは一切言わなかった」と述べた。ビル氏によれば、トランプ氏は元被告について「かつては楽しい時間を過ごしたが、不動産取引をきっかけに仲たがいした」と語っていたという。

■「もう終わりだ」

一方のヒラリー氏は、元被告の関係についてトランプ氏にも証言を求めるよう委員会に求めた。

また、共和党議員が規則に反して撮影した写真を公開したことにヒラリー氏が激昂(げきこう)し、証言の中断を警告する場面もあった。ヒラリー氏はテーブルを拳でたたき、「もう終わりだ。こんなことをするなら、これ以上(証言は)しない。議会侮辱罪に問えばいい」と言い放った。

ビル氏とトランプ氏は、司法省が公開したエプスタイン関連文書に名前が挙がっているが、いずれも不正行為で正式に訴追はされていない。

クリントン夫妻は当初、証言を命じる召喚状を拒否していたが、共和党の下院議員らが議会侮辱罪に問う構えを見せたため、証言に応じることで合意した。

下院委員会の調査について民主党は、トランプ大統領の政敵を攻撃するために「武器化」されており、正当な監視ではないと批判している。(c)AFP/Chris Lefkow