銃を構えるキム・ヨジョン(金与正)党中央委員会総務部長(前列左端)=労働新聞(c)news1
銃を構えるキム・ヨジョン(金与正)党中央委員会総務部長(前列左端)=労働新聞(c)news1

【02月28日 KOREA WAVE】北朝鮮の朝鮮労働党第9回党大会を機に「党部長」に昇格したキム・ヨジョン(金与正)氏の具体的な役職が、党中央委員会総務部長であることが公式に確認された。キム・ジョンウン(金正恩)総書記が核心幹部や軍指揮官に新型狙撃銃を特別贈呈したとの報道で、「総務部長」の肩書が明記されたためだ。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は28日、キム総書記が27日に党中央委員会本部で主要指導幹部や軍事指揮官と面会し、国防科学院が新たに開発・生産した次世代狙撃銃を特別贈呈したと伝えた。

キム総書記は「党と革命、祖国と人民が与えた歴史的重責に忠実であった」と述べ、「絶対的信頼の表れだ」と強調したという。

贈呈対象には、党中央軍事委員会委員や武力機関の主要指揮官、人民軍の大連合部隊長、護衛部隊の指揮官らが含まれた。とりわけ、党中央委員会政治局常務委員のチョ・ヨンウォン(趙甬元)、キム・ジェリョン(金才竜)の両氏と並び、キム・ヨジョン氏が「党中央委員会総務部長」として明示されたことで、総務部長職が対外的に初めて確認された形となった。

キム・ヨジョン氏は第9回党大会で党中央指導機関選挙の結果、「党部長」に昇格した事実のみが公表され、担当部署や具体的な役職は明らかにされていなかった。

今回の肩書公表は単なる人事発表にとどまらない。キム・ヨジョン氏が党運営の実務トップに立ち、キム・ジョンウン体制の内部掌握装置を再編していることを対外的に示すシグナルとの見方が出ている。

総務部は一般に「党の内政」を担う部署とされ、行政、文書、資金、物資の流れを掌握する要職と位置付けられる。最高指導者の日程や報告、指示の伝達経路と結び付けば、単なる支援部門を超え、組織・人事・監察機能とも連動し得る中枢部門となる。

ヤン・ムジン北韓大学院大学校碩座教授は、総務部について「事実上、党の事務総長に相当する」と指摘し、ロイヤルファミリーを軸に党支配を強める意図が読み取れると分析した。

一部では、総務部が2022年前後に設置・整備されたとの評価もある。かつて行政部が保衛・安全などの権力機関を掌握した方式の内部統制機能が復活した可能性も取り沙汰される。

総務部が単純な行政執行を超え、指示伝達体系や監察機能まで包含しているとすれば、キム・ヨジョン氏は個人的補佐機能と公式行政機能を一手に集約し、権力を単一窓口に整理する立場に立つことになる。

後継構図との関連も指摘される。キム総書記の最側近である血縁者を党運営の実務トップに据える形は、将来の権力継承局面に備えた「管理者(摂政)型」役割を念頭に置いた布石との解釈もある。

イム・ウルチュル慶南大学極東問題研究所教授は、キム・ヨジョン氏の総務部長就任について「公式序列と実質的統制力が頂点に近づいていることを示す」と評価した。

一方で、対南・対米メッセージ発信役としての役割が今後どのように調整されるかも焦点だ。

南北関係が断絶局面に固定化する中、従来のように前面に立つ機会は減る可能性がある。ただし総務部が資金・人事・組織を総合的に調整する形に再編されていれば、対外・対敵業務まで幅広く統括する形で影響力が制度的に裏付けられる余地もある。外部からは「代弁者」としての露出が減ったように見えても、内部では権力中枢を握る調整者として存在感を強める可能性がある。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News