【2月28日 AFP】米エネルギーインフラ大手エナジー・トランスファーが約10年前の物議を醸した石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設中に暴力と名誉毀損(きそん)を組織的に実行したとして国際環境団体グリーンピースに損害賠償を求めた訴訟の判決で、米ノースダコタ州の裁判所は27日、グリーンピースに対し、3億4500万ドル(約538億円)の支払いを命じた。

陪審は昨年、エナジー・トランスファーの訴えを認め、不法侵入、迷惑行為、共謀、不動産侵奪などの罪状を挙げ、グリーンピース・インターナショナル傘下の3団体に対し6億6000万ドル(約1029億円)以上の支払いを命じた。

ジェームズ・ギオン判事は、一部の損害賠償が二重に計上されていたと判断し、支払額を半分に減額した。それでも莫大(ばくだい)な金額だ。

グリーンピースはこれらの罪状を断固として否認し、この訴訟手続きは不当であり、反対意見を封じ込める手段だと非難している。

この訴訟は抗議活動や支援運動に広範な影響を及ぼす可能性があるため、法律専門家や活動家団体に注視されている。

グリーンピースは控訴する意向を示しており、数億ドルの賠償金を支払うことはできないと繰り返し主張している。

グリーンピース・インターナショナルの顧問弁護士、クリスティン・キャスパー氏はAFPへの声明で、「この法廷闘争はまだ終わっていない」と述べた。

グリーンピースのもう一人の法務担当者、マルコ・シモンズ氏は、「環境破壊を引き起こす企業に反対の声を上げることは、決して違法とみなされるべきではない」「これは後退だが、人々と地球を守る運動は常に挫折と抵抗に直面しており、エナジー・トランスファーは批判者を黙らせるという目標を達成できないだろう」と述べた。

一方、エナジー・トランスファーは、賠償金額の半減に異議を唱えている。

コロンビア大学ロースクール気候変動法センターのマイケル・ジェラード所長はAFPに対し、判決は「壊滅的だ」と語り、「グリーンピースだけでなく、世界の環境運動にとっても非常に悪い」と付け加えた。

富豪でドナルド・トランプ米大統領への大口献金者でもあるエナジー・トランスファーのケルシー・ウォーレン最高経営責任者(CEO)は長年にわたる法廷闘争の間、グリーンピースを訴えた動機を公然と語ってきた。

ウォーレン氏はインタビューで、グリーンピースを訴えた「主な目的」は損害賠償だけでなく、「メッセージを送ること」だと述べた。

さらに、活動家は「遺伝子プールから排除されるべきだ」とまで述べた。(c)AFP