【2月28日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク高等弁務官は27日、OHCHRが厳しい報告書を発表して行動を促してから4年がたつにもかかわらず、新疆ウイグル自治区の人権状況改善に向けて中国政府は何ら努力していないと批判した。

フターク氏は国連人権理事会で世界各国の人権状況に関する最新情報を発表し、「新疆ウイグル自治区のウイグル人やその他のイスラム系少数民族、そしてチベット自治区のチベット人の権利を守るためのこれまでの勧告が、何ら履行されていないことを遺憾に思う」と述べた。

「これには労働問題や宗教・文化の自由が含まれる」として、「(キリスト教)プロテスタントコミュニティーに対する弾圧の激化」についても懸念を表明した。

ミチェル・バチェレ前高等弁務官は2022年、任期満了直前、新疆ウイグル自治区で「人道に対する罪」に当たる可能性がある行為が行われていると指摘する衝撃的な報告書を公表。そこにはウイグル族をはじめとするイスラム系少数民族に対する広範な拷問、恣意(しい)的な拘禁、宗教的権利と生殖に関する権利の侵害に関する「信頼性のある」証拠が詳細に列挙されていた。

この報告書の発表直後に高等弁務官に就任したターク氏は、人権団体からの中国への圧力強化を求める声に直面している。

ターク氏は27日の演説で、中国に対し「曖昧な刑事行政条項や国家安全保障条項を用いて、国内における基本的人権の平和的行使を抑圧するのをやめるよう」求めた。

今回は具体的な事例を挙げなかったが、ターク氏は今月、香港の高等法院(高裁)が民主派新聞・蘋果日報(アップル・デーリー)の創業者で、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で有罪判決を受けた黎智英(ジミー・ライ)氏(78)に懲役20年の量刑を言い渡したことに触れ、「恣意(しい)的に拘禁されているすべての人々を釈放するよう強く求める」と述べていた。(c)AFP