【3月12日 東方新報】中国の2026年1月の金融統計は、年明けとしては好調な滑り出しとなった。企業や家計への新規融資が堅調に増え、社会全体で調達された資金の総額も前年を上回った。

中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)の発表によると、1月の社会融資総量(銀行融資や社債発行などを含む、経済全体への資金供給の総額)の増加分は7兆2200億元(約162兆1373億円)となり、前年同月よりやや多かった。銀行による新規の人民元建て貸出は4兆7100億元(約105兆7710億円)増加した。また、市場に出回るお金の量を示す指標も前年より高い伸びを維持しており、資金環境は比較的緩やかな状態が続いている。

今後の融資動向については、政府の経済政策が大きなカギを握る。中国では2026年から新たな5か年計画(第15次五か年計画)が始まる予定で、インフラ整備、都市再開発、新エネルギーや先端産業などへの投資が重点分野とされている。これに伴い、関連分野への資金需要も引き続き見込まれる。

個人向けでは、内需拡大と消費促進が重要政策と位置付けられている。政府は、家電や設備の買い替えを支援するための特別国債資金を前倒しで投入したほか、個人向け消費ローンやサービス業向け融資に対する利子補助制度を拡充した。さらに、過去の延滞記録が足かせとなっている人の信用情報を一定条件で修復する措置も導入し、資金を借りやすくする環境整備を進めている。こうした政策は、家計の消費余力を高め、内需を下支えする狙いがある。

一方で、民間企業の資金需要はなお力強さを欠くとの見方もある。証券会社の中には、今後数か月は社会全体の資金調達の伸びがやや鈍化する可能性があると指摘する声もある。

ただ、政府は2026年も積極的な財政政策を続ける方針だ。国債発行を通じて資金を確保し、消費拡大や民生分野への支出を増やすとしている。2026年の政府債務の純増規模は14兆~15兆元(約314兆3938億〜336兆8505億円)に達する可能性があるとの見方もあり、財政支出の拡大が金融の伸びを支える構図が続きそうだ。

また、金融当局は「融資の増加ペースを年間を通じて均衡させる」方針を示している。これまで銀行は年初に融資を集中させる傾向があったが、今後は四半期ごとの偏りを抑え、より安定的な資金供給を目指す可能性がある。
(c)東方新報/AFPBB News