摘発された「セクトン園」施設長(c)NEWSIS
摘発された「セクトン園」施設長(c)NEWSIS

【02月26日 KOREA WAVE】韓国仁川市江華郡の重度障害者居住施設「セクトン園」で長期間にわたる性的虐待疑惑が浮上し、韓国の障害者居住施設全体の管理・監督体制が改めて問われている。多くの施設に防犯カメラが設置されているものの、法的義務ではなく運用基準も明確でないため、虐待防止策としての実効性が低いとの指摘が出ている。

保健福祉省は2025年11月、障害者居住施設の虐待予防と人権強化策を発表し、居室や廊下など共用空間を中心に防犯カメラ設置・運営の義務化を検討すると明らかにした。全国107施設を対象に実施した全数調査では、80%以上が防犯カメラを設置していた。

ただ、これは法的根拠による義務ではなく、安全管理や防災対応を理由に各施設が自主的に運営してきたものだ。

専門家は、設置の有無よりも運用・管理の在り方こそが虐待防止の鍵だと指摘する。現行体制では、事件発生後に映像を確認する事後的手段にとどまり、予防機能を十分に果たしていないという。

仁川大学社会福祉学科のチョン・ジヘ教授は「多くの場合、通報があった後にのみ映像を閲覧している」と述べ、「予防機能を高めるには常時モニタリング体制や保存期間の延長、廃棄前点検など具体的な管理基準が必要だ」と強調した。人工知能(AI)と連動し、危険行為を感知した場合に警告を出す仕組みの導入も検討すべきだと提案している。

セクトン園性暴力事件共同対策委員会のチャン・ジョンイン委員長は「防犯カメラ設置の義務規定すらなく、管理・モニタリング基準も不明確だ。約10年にわたり公的システムが加害を防げなかったのは、国家の管理体制が機能していなかった証拠だ」と批判した。

また、施設の閉鎖性や行政の人権感受性の不足も構造的問題として挙げられている。大邱大学社会福祉学科のイ・ドンソク教授は「自治体には随時訪問や定期監査、人権実態調査などの権限があるが、どれだけ積極的に活用するかが重要だ」とし、形式的な点検では人権侵害を発見できないと指摘した。

さらに、大規模収容型の施設体系自体を見直すべきだとの声もある。イ・ドンソク教授は「100人、30人規模の施設では個性や多様性を尊重するケアの実現に構造的限界がある」と述べ、施設規模の縮小や閉鎖が長期的な解決策になり得るとの見方を示した。

保健福祉省も、30人以下の小規模施設への転換や独立型住居サービスの拡大を推進する方針を掲げている。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News