【三里河中国経済観察】チベット自治区発展改革委員会の衛強主任:産業体系を強化
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【3月6日 CNS】「チベット自治区(Tibet Autonomous Region)は今後も特色ある農牧業を力強く発展させ、クリーンエネルギー産業の発展を加速し、資源加工産業を着実に育成し、現代サービス業を積極的に拡大する。さらに文化・観光産業の融合を進め、新興産業を育てて強化し、高原経済の質の高い発展の要請に合致する現代的産業体系を段階的に築いていく」。チベット自治区発展改革委員会の衛強(Wei Qiang)主任(党組副書記)はこのほど、三里河中国経済観察の取材に対しこう語った。
第一に、特色ある農牧業を大きく発展させる。チベット自治区は中国の五大牧区の一つで、高原特有の環境を生かし、ヤクやチベット系羊といった高原固有の家畜、青稞(チベット大麦)や茶葉など品質の個性が際立つ農産物を育んできた。特色農牧業には大きな優位性がある。2025年は自治区全体の食糧生産量が114万9600トンに達し、野菜生産量、肉・卵・乳製品の生産量はいずれも100万トンを突破した。衛氏は、高原の「地元特産品」を希少品から市場で売れるヒット商品へと育てることを目標に、品質向上、規模拡大、加工強化、ブランド創出、流通円滑化、所得増加の6分野を重点的に進める考えを示した。
第二に、クリーンエネルギー産業の発展を加速する。「第14次五か年計画」期以降、クリーンエネルギー産業はチベットで急速に成長し、重要な基幹産業となった。統計によると、2025年末までに自治区の発電設備容量(完成分・建設中を含む)は3300万キロワットを超え、稼働済み設備容量は1300万キロワットを突破した。衛氏は「チベットの太陽光、風力などの開発可能量は100億キロワットを超え、クリーンエネルギー産業の展望は明るい」と述べ、国家の需要とチベットの強みを踏まえ、水力・風力・太陽光・地熱の相互補完や、電源・送電網・需要・蓄電を一体で開発する取り組みを推進するとした。
さらに、チベット東南部や瀾滄江(Lancang River)、金沙江(Jinshajinag)、ヤルツァンポ川(雅魯蔵布江、Yarlung Zangbo River)流域などでのクリーンエネルギー基地整備を進める。「西電東送」(西部の電力を東部へ送る)戦略を積極的に実行し、チベット東南部から粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)へ送電する特高圧直流など、対外送電ルートの建設を加速する。あわせて「クリーンエネルギー+」の産業クラスターを育成し、クリーンエネルギー設備の製造を発展させ、クリーンエネルギーと先進的な高電力消費型産業の協調配置を支え、国家クリーンエネルギー基地の早期実現を目指すという。
第三に、資源加工産業を継続して育成する。チベットは淡水資源が豊富で、チベット薬材資源も独自性が高く、資源加工産業の発展余地は大きい。2024年のチベット自治区のチベット医薬品産業の生産額は34億元(約755億5548万円)だった。衛氏は、天然飲料水やチベット医薬品などの産業を積極的に発展させるとともに、高原向け調理器具、民族手工芸など生活に密着した軽工業の発展も加速し、チベットならではの競争力ある製品づくりを進める方針を示した。
第四に、現代サービス業を積極的に発展させる。サービス業は多様な産業と結び付き、暮らしにも直結する。現在、チベット全域で農村向けの配送・物流ネットワークのカバー率は100%に達し、農村郵便ルートの自動車化率も100%となった。遠隔の農牧地域における「ラストワンマイル」も全面的に接続された。継続的な整備により、県・郷(鎮)・村の3層をカバーする農牧地域向け配送物流サービス体系がほぼ形成されている。今後は「送料無料のチベット(包郵チベット)」の対象範囲をさらに拡大し、宅配の「村まで」の「最後の1メートル」と、農牧特産品の「村から出す」「最初の1メートル」を全力で打通する。あわせて、医療・健康、介護、保育、家政サービス、不動産管理など生活関連サービス業の発展を強化する。南アジアへ開く大通路の整備も進め、越境ECの発展を促し、通関口の総合管理の情報化を推進して検査機能を整え、特色ある優位製品の輸出拡大につなげる。
第五に、文化・観光産業の融合発展を促進する。チベットは文化・観光資源が豊かで、世界的な観光目的地を目指せる独自の強みがある。データによれば、2025年は文化観光市場が継続的に活況となり、国内外の観光客受け入れは延べ7073万3700人(前年比10.71%増)に達した。チベットは「文化で観光を形づくり、観光で文化を際立たせる」という方針の下、文化と観光の融合を進める。「カンリンポチェ―マーナサローワル湖」の重点観光区の整備や、「デジタル×スマートポタラ宮(Potala Palace)」文化観光融合イノベーション区の建設を加速する。公共文化サービス体系をさらに整え、観光サービス施設と緊急救援体制を強化し、「環境負荷が低く、体験の密度が高く、経済効果が大きい」現代的な文化観光産業体系の育成を目指す。
第六に、新興産業を育成し強化する。新興産業は将来の成長エンジンだ。低空経済を例に取ると、チベットには低空の一般航空分野の企業が70社あり、2025年の一般航空の累計飛行は1738便、総飛行時間は2189.57時間。ドローンの累計飛行は4万1371回、総飛行時間は1万9816.9時間に上った。高地・低酸素、複雑な気流などの厳しい自然条件、人口密度の低さや地形の複雑さといった現状に対応するため、チベットは低空飛行体の試験産業の育成を進める。低空飛行の保障、総合サービス、監督管理の体系を整えつつ、航空救助、森林防火、空中観光、物流輸送などの分野で、低空経済の活用シーンを段階的に広げる。
衛強氏は最後に、「地域経済の配置を最適化し、実情に即して新たな生産力を育て、科学技術イノベーションと産業イノベーションの深い融合を進める。伝統産業の改造・高度化を推し進め、新興産業の育成を加速し、実体経済を土台とする高原の特色ある現代的産業体系を構築していく」と述べた。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News