韓国半導体人材に海外勢が照準…マスク氏参戦でサムスン電子・SKに緊張
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【02月24日 KOREA WAVE】米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が韓国の半導体人材に向けて公開の採用メッセージを発信し、グローバルな人材争奪戦が一段と過熱している。人工知能(AI)競争力の強化を急ぐビッグテック各社の動きも重なり、「Kエンジニア」の海外流出への懸念が高まっている。
マスク氏は最近、自身のX(旧ツイッター)に太極旗の絵文字16個を並べ、テスラコリアのAI半導体設計エンジニア採用公告を共有。「韓国のエンジニアはテスラに合流せよ」と自ら呼びかけた。
自動運転やヒューマノイドロボット向けの自社AIチップ開発を加速するため、設計だけでなくソフトウエアやシステムアーキテクチャ分野まで採用対象を広げる構えだ。
テスラにとどまらず、エヌビディア、グーグル、ブロードコムなども高額年俸と大規模な株式報酬を提示し、シリコンバレーでのキャリア機会を前面に出す。AI半導体の主導権確保が企業の命運を左右するとの危機感が、韓国人エンジニアの「ピンポイント採用」につながっている。
メモリー分野で世界上位に位置するサムスン電子とSKハイニックスも状況を注視する。AI需要拡大によるいわゆる「スーパーサイクル」局面にあるとはいえ、破格の報酬を提示する海外企業と比べれば、待遇面で劣勢に立たされかねないとの懸念がある。
SKハイニックスは年間営業利益の10%を成果給財源に充て、上限を撤廃するなど報酬体系を見直した。サムスン電子も成果中心の補償強化や研究環境の改善を進める。
業界関係者は「単なる年俸水準だけでなく、研究の自律性やプロジェクト規模、グローバル協業の機会が人材の選択を左右する」と指摘する。
より深刻なのは、素材・部品・装備企業だ。従来から大企業への人材集中が続く中、海外装備メーカーまで加わり、人材難は限界に近づいている。
ソウル市江南区のコエックスで開かれた「セミコン・コリア2026」でも、東京エレクトロンやASMなど外資系装備企業のブースに求職者が集まった。一方、国内の中堅・中小企業は人材確保に苦戦している。
産業通商資源省の統計によると、素材・部品・装備企業で勤続1~3年のエンジニアの離職率は大企業の2倍以上に達する。育成した熟練人材が大企業や海外へ流出する構図が続けば、韓国半導体産業の基盤が揺らぎかねない。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News