現代自動車グループ提供(c)NEWSIS
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【02月23日 KOREA WAVE】韓国の現代自動車グループが、ロボット企業への本格転換を加速させている。傘下のボストン・ダイナミクスを軸に、韓国をロボット産業の中核拠点へ押し上げる動きが広がっている。

業界では、韓国ロボット産業の強みを「DESIGN」というキーワードで説明する。需要(Demand)、運用経験(Experience)、供給網(Supply Chain)、インフラ(Infrastructure)、政府政策(Government)、産業ネットワーク(Network)の頭文字を組み合わせた概念だ。

まず需要面では、人口構造の変化が背景にある。韓国雇用情報院は、2030年以降に経済活動人口と就業者数が減少すると予測している。長期経済成長率2.0%を達成するには、2034年までに122万人以上の追加就業者が必要と分析しており、人手不足を補う手段としてロボット需要が高まるのは避けられないとの見方だ。

すでに韓国の製造業におけるロボット密度は、労働者1万人当たり1012台と世界最高水準にある。2位のシンガポール(730台)、3位のドイツ(415台)を大きく上回る。ヒューマノイド型ではないものの、多数の産業用ロボットが現場に導入され、運用経験が蓄積されている。

ロボットはモーター、減速機、アクチュエーター、センサー、バッテリーなど多様な部品が精密に組み合わさる複合システムで、設計や試験、量産を支える後方産業の存在が不可欠だ。韓国では自動車部品メーカーがロボット部品分野へと転換を進めている。

また、高速通信網やクラウド基盤が整備され、大量のロボットを安定的に管理できる環境も整う。政府もロボットを次世代成長エンジンと位置づけ、実証機会の提供や現場適用拡大、人材育成など包括的な支援策を講じている。

こうした環境を背景に、現代自動車グループは「フィジカルAI」の循環型エコシステム構築を進める。製造、物流、販売などバリューチェーン全体で得られるデータを基盤に、モビリティからロボティクスへと事業領域を広げる戦略だ。

同グループは2021年にボストン・ダイナミクスの株式80%を取得。ヒューマノイドやモバイルロボットを実際の製造現場へ導入し、技術高度化を図っている。

系列各社も連携を強める。現代自動車と起亜が製造インフラや生産データを提供し、現代モービスが精密アクチュエーター開発を担う。現代グロービスは物流最適化を推進する。

さらに、サムスン電子、LG電子、ネイバー、ポスコ、CJ大韓通運など主要企業が実証の場を提供している。

財界関係者は「スタートアップや部品企業が現場需要を基盤に成長できる環境が整いつつある。これが韓国ロボット産業の大きな差別化要因だ」と指摘した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News