「青い珊瑚礁」は現在進行形…松田聖子、46年目の初来韓公演、Z世代も熱狂 [韓国記者コラム]
このニュースをシェア
「ああ、私の恋は南の風に乗って走るわ」
昭和を代表する“国民的アイドル”の松田聖子(64)が代表曲「青い珊瑚礁」で、デビュー46年目にして初の来韓公演の幕を開けた瞬間、2026年の仁川・永宗島は一気に1980年の夏へと引き戻された。会場の仁川インスパイア・アリーナでは、日韓の観客が総立ちで大合唱を繰り広げた。
22日に開かれた「45周年記念コンサートツアー – Sing! Sing! Sing! in Korea」は、単なる海外公演を超え、日韓ポップス史が交差する“タイムカプセル”のような2時間だった。
◆Z世代を動かした“南風”
客席の半数以上は日本から駆け付けたファン。一方、韓国の10~30代も約6割を占めた。若年層の熱狂の背景には、K-POPグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」のハニの存在がある。ハニは2024年、東京ドームで開かれたファンミーティングで「青い珊瑚礁」をカバーし、大きな話題を呼んだ。
昭和末期の郷愁と、レトロを新鮮に受け止める日韓Z世代の感性が結びつき、松田聖子の楽曲は“洗練された古典”として再発見された。日本大衆文化開放前、いわゆる“海賊版”テープで彼女の歌を聴いていた40~50代の郷愁も重なり、世代と国境を越えた祝祭空間が生まれた。
◆45年の蓄積、揺るがぬアイドル性
公演は「青い珊瑚礁」で始まり、「渚のバルコニー」「秘密の花園」と続く「王道」セットリスト。ブラスを効かせた生バンドと溶け合うキャンディボイスは健在だった。
「時間の国のアリス」ではドラムを披露し、「チェリーブラッサム」ではエレキギターを手にするなど、可憐なイメージの裏にある音楽的実力も示した。赤いスイートピーの造花が揺れる中で歌われた「赤いスイートピー」は圧巻。終盤、「裸足の季節」「白いパラソル」へと続き、「夏の扉」で観客全員が「Fresh! Fresh! Fresh!」と叫ぶ場面は白眉だった。
◆「スンドゥブチゲが好き」真心の韓国語
「みなさん、こんにちは。松田聖子です。初めて韓国でコンサートをします」
通訳を伴いながらも、彼女は可能な限り自ら韓国語で語りかけた。「韓国の料理が大好き。スンドゥブチゲ、ビビンバ!」と笑顔を見せると、会場は温かな拍手に包まれた。
最後に「また会える日を楽しみにしています。健康でいてください」と告げ、46年を待った韓国ファンに深い余韻を残した。
時間は誰にでも平等に流れる。しかし、ある芸術家にとって時間は摩耗ではなく蓄積である。松田聖子は昭和の遺物ではなく、当代の若者と呼吸し続ける“現在進行形”のアイドルだと証明した。
あの夜、客席に吹いた“南風”は、単なる懐古ではなかった。失われた青春への逃避でもない。世代を越え、なお胸の奥に残る初恋の純情を確かめ合う、輝かしい瞬間だった。【NEWSIS イ・ジェフン記者】
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News