ホワイトハウスで、相互関税を巡る米連邦最高裁判所の違法判断を受け、代替関税の方針を発表するトランプ米大統領(c)Reuters/news1
ホワイトハウスで、相互関税を巡る米連邦最高裁判所の違法判断を受け、代替関税の方針を発表するトランプ米大統領(c)Reuters/news1

【02月23日 KOREA WAVE】米連邦最高裁判所が20日(現地時間)、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した相互関税を違法と判断した。しかし韓国の産業界では「現実的に大きな変化はない」との見方が広がっている。

一部の不確実性は後退したものの、トランプ大統領はすでに世界からの対米輸出品に一律10%の追加関税を課すと予告。さらに別の法的根拠に基づく関税措置も進める方針を示しているためだ。

今回の判決で韓国に課されていた相互関税は効力を失った。トランプ大統領は当初、韓国に25%の相互関税を適用すると表明していたが、2025年末の韓米協議を経て15%に引き下げられた。その後、韓国が合意を履行していないとして再び25%へ戻すと発言し、実務協議が続いていた。

ただ、最高裁判決が違法判断でも、大枠は変わらないとの分析が有力だ。トランプ大統領は通商法122条に基づく10%のグローバル関税に関する大統領令に署名し、近く発効する見通しである。さらに通商法301条に基づき不公正貿易慣行の調査を開始し、その結果次第で追加関税を課す可能性にも言及した。根拠法が変わるだけで、関税政策そのものは維持される構図だ。

韓国の主力対米輸出業種の多くが、そもそも相互関税ではなく「品目別関税」の対象である点も、影響が限定的とみられる理由の一つだ。自動車や鉄鋼は通商拡大法232条に基づく関税の適用を受け、自動車・同部品は15%、鉄鋼は50%の関税率が課されている。

むしろ半導体、医薬品、重要鉱物、風力タービン、産業機械などに新たな品目別関税が相次ぐ可能性も指摘される。相互関税の失効による利益よりも、品目別関税拡大の影響の方が大きくなりかねないとの懸念だ。

一方、今回の判決により、企業が相互関税の返還を求める訴訟を起こす道は開かれた。すでに韓国タイヤや大韓電線の米国法人などを含む世界約1000社が関税返還を求める訴訟を提起している。

もっとも、韓国企業が積極的に訴訟へ参加するかは不透明だ。米国内で事業を展開する企業にとって、米政府との関係悪化は大きなリスクとなる。過去にはハンファ・キューセルの米法人やサムスン電子の米子会社ハーマンが訴状を提出後に取り下げた例もある。訴訟は長期化が避けられないとの見方も強い。

さらに、返還請求を見送った場合、経営陣が株主から背任責任を問われる可能性も指摘されている。韓国企業としては、当面はグローバル企業の動向を注視しつつ慎重に判断する構えだ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News