金メダルを手にするチェ・ガオン選手(c)news1
金メダルを手にするチェ・ガオン選手(c)news1

【02月23日 KOREA WAVE】“女子高生スノーボーダー”のチェ・ガオン選手(18)が、韓国の雪上種目で史上初となるオリンピック金メダルを獲得した。しかし歓喜に包まれる一方で、思わぬ「金のスプーン(裕福な家庭出身)」論争が広がった。

発端となったのは、チェ・ガオン選手が居住しているとされるソウル市瑞草区盤浦洞のマンションに掲げられた祝賀横断幕だった。住民が金メダル獲得を祝って設置したとされるが、その様子がSNSやオンラインコミュニティで拡散され、家庭環境を巡る議論へと発展した。

一部のネットユーザーからは「裕福だから金メダルを取れたのではないか」といった声が上がった。一方で、「金持ちでも貧しくても努力は努力」「家庭環境とは切り離して選手の成果を見るべきだ」との反論も相次いだ。

横断幕は現在、撤去されている。オンライン上では苦情を受けて外されたとの投稿も出回ったが、瑞草区庁によると関連する苦情は受理されていない。家族が住民に依頼し、自主的に撤去したと伝えられている。

チェ・ガオン選手が通う高校の教師は「指導者としては一人の選手として見てほしい。マンション価格などに言及し、家柄と結びつけて金メダルを評価する視線には胸が痛む」と語り、「選手本人にとって酷な状況だ」と心境を明かした。

専門家も、個人の成果を経済的背景と結びつける風潮に警鐘を鳴らしている。

ソウル大学心理学科のクァク・クムジュ教授は、「金のスプーン」論争について、個人の成果を出自へと還元しようとする心理と、能力よりも背景が重視される社会構造への不信が結びついた結果だと分析する。

「経済的要素に過敏な社会になってしまった。努力と成果をそのまま称賛すればよいのに、能力以外の理由を探そうとする心理が働いている。成功者を見ることで生じる剥奪感から、『自分が持っていない背景のおかげで成功したのではないか』と考え、心の均衡を保とうとする側面もある」

また、成功を収めた人に対しては、その成果自体に拍手を送る心の余裕が必要だと強調し、「背景を探そうとする姿勢には寂しさを感じる」と述べた。

成均館大学社会学科のク・ジョンウ教授も、金メダルを経済的背景と結びつける見方は「時代遅れの認識」だと指摘する。かつてはスポーツを“貧困を克服した人間勝利の物語”として語る傾向が強かったが、現在はそうした枠組み自体が有効ではないという。

「スポーツは国格や階層物語ではなく、個人の努力と成果そのものとして見るべきだ。『金のスプーン』などを理由に成果を問題視するのは、変化した社会の流れに適応できていない反応だ。チェ・ガオン選手の成果は、貧富と無関係な“人間の勝利”として受け止めるべきだ」

チェ・ガオン選手は最近、自身のSNSに病院での検査写真を投稿し、「3 fractures(骨折)」と記して3カ所の骨折診断を受けたことを明らかにしている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News