北朝鮮最大の政治行事「党大会」…専門家が見る四つの焦点
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【02月21日 KOREA WAVE】北朝鮮の朝鮮労働党第9回大会では、全国から集まった代表らが数日間にわたり協議し、今後5年間の国家戦略の大枠が確定する見通しだ。
労働新聞によると、議題は▽党中央委員会事業総括▽党規約改正▽党中央指導機関の選挙――の三つ。数は多くないが、過去5年間の総括に加え、「国家のアイデンティティー」に直結する規約改正を扱う点で、重みのある決定が相次ぐ可能性がある。
専門家が挙げる主な焦点は▽「敵対的な二国家」路線の制度化▽核保有国地位の固定化など対外路線の明確化▽キム・ジョンウン(金正恩)総書記の「主席」推戴の有無▽後継構図に関する判断――の四点。
◆「敵対的な二国家」明文化の可能性
北朝鮮は2023年12月の党中央委員会総会で、南北関係を「統一を志向する特殊関係」から「国家対国家」に転換すると宣言し、「敵対的な二国家」と規定した。キム・ジョンウン総書記は「もはや同族関係ではなく、戦争中の交戦国関係だ」と述べ、従来の対韓国政策の全面的見直しを示唆した。
その後、統一戦線部や祖国平和統一委員会の整理、「祖国統一三大憲章記念塔」の撤去、京義線・東海線の南北連結道路の爆破など、象徴的な「断絶措置」を進めてきた。ただし、こうした路線を党規約や社会主義憲法に明記する動きはこれまで明確ではなかった。
規約や憲法に明文化されれば、「南北二国家」は最高指導者でも容易に変更できない国家理念となる。今回の大会で「民族」「統一」といった文言が削除され、各自の「国家性」を強調する表現が盛り込まれれば、韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権との認識の溝は一段と広がる可能性がある。
◆核保有国としての立場を再強調
キム・ジョンウン総書記は演説で「国家の地位を不可逆的に固め、世界政治構図に大きな変化をもたらした」と述べた。米国には直接言及しなかったが、核保有国地位が憲法に固定された「不可逆的なもの」だとの従来の主張を踏まえれば、今回も核保有国としての立場を改めて強調したと解釈できる。
これは党大会を機に対外路線を大きく転換する考えはないとのメッセージとも読める。北朝鮮は最終的に、米国が自国を核保有国として認め、それに見合う外交関係を築くことを期待しているとみられる。
トランプ大統領が北朝鮮を「nuclear power」と呼んだ経緯はあるものの、北朝鮮が望む水準の対北朝鮮戦略が公式化されたわけではない。4月に予定されるトランプ大統領の訪中や米中首脳会談を前に、核保有国地位を既成事実化し、交渉の基準を引き下げない狙いがあるとの分析も出ている。
◆「主席」復活の布石か
キム・ジョンウン総書記が祖父キム・イルソン(金日成)主席と同様、「主席」に推戴されるかどうかも関心を集める。近年、北朝鮮がキム・ジョンウン総書記を「国家首班」と呼ぶ例が増えているためだ。
キム・イルソン時代、憲法は「共和国主席」が国家首班を担うと規定していた。主席職は1998年に廃止されたが、再び国家元首ポストを整備する布石との見方がある。ただ、キム・イルソン氏も60歳で主席に就任した経緯があり、時期尚早との意見も少なくない。
◆娘に公式肩書きは
有力な後継者と目されるキム総書記の娘に党の公式肩書きが与えられるかも焦点である。韓国の国家情報院は「娘が後継内定段階にある」との見解を示した。
もっとも、党規約上の入党可能年齢は18歳以上で、2013年生まれと推定される娘が正式ポストに就けば手続き上の問題が生じるとの指摘もある。実際、党大会初日には姿を見せなかった。
一方で、キム・ジョンウン総書記自身が短い後継期間で権力を掌握した経験を踏まえ、より早い段階で後継を内定させ体制の永続性を図る可能性も取り沙汰される。
多くの専門家は、今回肩書きが付与されなくても後継構図が変わるわけではないとみる。娘はこれまで大陸間弾道ミサイル発射や大型住宅、観光施設の竣工式など象徴性の高い場面に同行しており、今後も視覚的効果の大きい舞台で存在感を示す展開が予想される。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News