重慶が再び「中国自動車生産の首位都市」に 転換期の底力を示す
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【3月7日 東方新報】技術革新のたびに産業構造は組み替えられ、地域経済の勢力図も揺れ動く。自動車産業も例外ではない。重慶市(Chognqing)経済情報委員会によると、2025年の重慶の自動車生産は過去最高を更新し、年間生産台数は278万8000台(前年比9.7%増)に達した。都市別では首位、省・直轄市単位でも3位を維持したという。これにより重慶は深圳を上回り、9年ぶりに「中国自動車第一城(生産首位都市)」の座に返り咲く見通しだ。
2014~2016年、重慶は都市別自動車生産で3年連続トップに立ったが、当時の主力はガソリン車だった。電動化・スマート化への転換が進む中で、生産は一時落ち込み、2019年には138万3000台まで減少した。だが近年、新エネルギー車への取り組みが成果を上げ、再び追い上げを見せている。今回の首位復帰は、産業クラスターの高度化が進んだ結果といえる。
現在、長安汽車(Changan Automobile)と賽力斯汽車(セレス、Seres)を軸に10社以上の完成車メーカーが拠点を構え、部品産業も含めた集積が進む。両江新区の工場では、鋼板から完成車までを短時間で仕上げる高度な自動化ラインが稼働している。2025年の新エネルギー車生産は129万6000台で、市全体の46.5%を占めた。伸び率は36%と高く、関連産業規模は8000億元(約17兆7777億円)を突破した。
転機の背景には政策支援もある。重慶市は研究開発投資を後押しし、高付加価値化やグリーン化を促進してきた。また2025年から自動車生産の統計方法が「法人所在地」から「生産地」ベースに変更されたことも、順位に影響を与えた。
新エネルギー車分野では、重慶は上海市や深セン市(Shenzhen)と競り合う。上海はテスラ(Tesla)工場や上海汽車集団(SAIC)を擁し、深センは比亜迪汽車(BYD)の本拠地として産業チェーンが充実する。一方、重慶は厚い産業基盤と用地の余裕、政策支援を強みとする。
自動車生産首位の座は単なる台数競争ではない。産業体系や技術力、集積効果を含む総合力の勝負だ。夜になっても重慶の工場は稼働を続け、新車が次々とラインオフしていく。長江沿いの工業都市から世界級の産業クラスターへ――重慶の復活は、変化の時代に自らを刷新する力が成長の鍵であることを物語っている。(c)東方新報/AFPBB News