【2月25日  People’s Daily】2025年12月15日、「脳機知能を大湾区が先導」をテーマとする「2025年・脳-機技術と産業融合発展クローズド会議」において「粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)イノベーション産業連盟」が発足した。広東・香港・マカオおよび周辺地域でBCI関連分野に従事する企業、病院、大学などが連携し、資源を統合して、世界的なBCIイノベーションの発信源の構築を目指す。

この連盟を発起・設立したのは、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)海珠区琶洲片区にある「人工知能・デジタル経済広東省実験室(広州)」(略称:琶洲実験室)だ。

BCI・AIスマート病棟の電動介護ベッドの上で、被験者が軽量なヘッドバンドを装着し、タブレット上のマウスを「操作」している。集中を保ち、軽くまばたきをすると、ベッドの頭部側がゆっくりと持ち上がった。琶洲実験室では、マルチモーダル脳-機ヘッドバンドの性能試験が行われている。

琶洲実験室常務副主任を務める華南理工大学の李遠清(Li Yuanqing)教授は「このヘッドバンドは、様々なモダリティの生理信号を収集し、人の考えを『算出』する。これにより、身体の不自由な人が声を出したり手を動かしたりすることなく、室内の生活設備を自在に操作でき、生活の利便性と快適性が大幅に向上できる」と説明する。

BCI・AIスマート病棟は、李教授が長年研究開発を進めてきた「非侵襲型マルチモーダルBCI技術」を使った病棟である。ヘッドバンドで脳波や頭部運動などのマルチモーダル信号を収集し、コンピューターによる融合分析を通じてユーザーの意図を解読・識別し、複雑な環境の精密制御を実現する。実験室から産業化への溝をどう越えるか?李教授は「琶洲実験室は科学研究プラットフォームと各種の資源を提供し、技術開発の実用転化を飛躍的に進展させた」と話す。
 
琶洲実験室は20年4月に華南理工大学を拠点に設立された。李教授はチームを率いてここに入居した。その後、琶洲実験室の研究者たちとの交流・協力を通じて、李教授のチームはビッグデータ技術に基づく人工知能ディープラーニングモデルを開発し、BCIシステムの汎用性と実用性を高めた。

琶洲実験室の黄騏雲(Huang Qiyun)研究員は「従来の研究方法では、システムが『制御力』を発揮させるには、個人別に独自のモデルをカスタマイズする必要があった。この方法は効率が悪く使用も煩雑で、実際の応用シナリオでは導入が困難だった」と説明する。この問題に対し、チームは被験者横断型ビッグデータモデルを導入し、数百人の被験者の実験データに基づき、ディープモデルに脳の認知機能の共通特徴を抽出させた。22年、このモデルを搭載した「BCI・AIクラウドプラットフォーム」が運用を開始し、「1つのソフトウェアで全ての管理」を実現し、科学技術成果の実用転化の重要な一歩を踏み出した。

チームのたゆまぬ努力で、BCI・AIスマート病棟、脳-機AI車椅子などの脳機インターフェースのオリジナル製品が相次いで誕生し、国内外の市場で実用化されている。現在、チームは信号品質の最適化、アルゴリズム精度の向上、装着快適性の改善などに焦点を当て、さらなる科学研究課題に取り組んでいる。
 
近年、琶洲実験室は人工知能と特定分野特化型大規模AIモデルの基盤技術を中心に、137件の科学研究プロジェクトを展開している。また大手企業と共同で5つの高水準共同研究開発センターを設立し、多くのハイテク企業を育成してきた。

広州、深セン市(Shenzhen)、香港、マカオなどの都市間の連携を通じて、粤港澳大湾区は人材の誘致・育成、活用、流動の完全なメカニズムを形成し、人工知能技術革新に尽きることのない知的支援を提供している。(c)People’s Daily /AFPBB News