【2月19日 AFP】上品な五輪種目として知られるカーリングは熱心なファンを引き付けてきたが、ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪での反則疑惑を受け、第一人者の1人はカーリングの精神は「死んだ」と語った。

1998年の長野大会から復活したカーリングだが、ミラノ大会ではその愛らしいイメージが崩れ去った。

発端は、スウェーデンのオスカル・エリクソンが対戦国カナダのマーク・ケネディに対し、ストーンに2度触れたとして反則を主張し、これが「今回が初めてではない」と述べたことだった。

2010年バンクーバー大会で金メダル、22年の北京大会では銅メダルを獲得したケネディは、感情的になりながら「1回しか触っていない。くそくらえ!」と応じた。

この騒動を受け、統括団体のワールド・カーリングは四つのシート(競技スペース)の監督を行うため2人の審判を導入する措置を発表。これは、選手自身が競技を裁くことを誇りとしてきたカーリング界にとって大きな転換点だったが、各チームからの抗議を受けて撤回された。

ケネディは口論から数日を経て、カーリングにとって反則の疑いがどれほどの影響を与えたのかを穏やかな口ぶりながら、率直に語った。

「長い間、私たちはルールに追いつこうとしてきた」「残念ながら、カーリングの精神は死んでしまった。私たちは長い間、高いレベルでこの競技を続けてきたが、反則を探し回るようなことはしていない」「人の反則を現場で見つけようとしたり、メダルを取るためなら何でもしたりする、そんな状況は本当に最悪だ」

それでもケネディは、カーリングのルールが進化しなければならないと考えており、「競技を統括する人たちは、この問題をしっかり見直し、今後に向けてルールを明確に固める必要がある」と述べた。

一方、母国カナダではケネディとチームのメンバーは厳しい批判の的となっており、地元紙グローブ・アンド・メールは「カーリングの評判が国の評判より大事だという態度はやめるべきだ。自分に非がないと思っていても、もっと大人になるべきだ」と論説で述べている。

スウェーデンのフレドリク・リンドベリ・コーチは、この問題は以前から議論されていたが、反応の大きさと五輪という最大の舞台で起きたことから注目を集めたのだと説明し、「昨年の世界選手権でも同じ指摘をした。われわれにとっては新しい話ではない」「あとはワールド・カーリングができるとをする必要がある」と話した。

一方でカーリング・カナダのノーラン・ティーセン最高経営責任者(CEO)は「最終的には、この出来事が競技に少し光を当ててくれる。必ずしも悪いことではない」と述べた。(c)AFP/Jérôme RASETTI