【3月5日 東方新報】いわゆる「ほろ酔い」需要の拡大を背景に、若年層の飲酒スタイルが変化している。バーや居酒屋で飲むだけでなく、自宅で好みの酒と飲料を組み合わせる「自家製カクテル」が広がり、酒類・飲料市場の販売動向や売り場づくりにも影響を与え始めている。

関連レポートによると、中国の酒場市場は2025年に1000億元(約2兆2152億円)規模に達する見込みで、低アルコール志向や個性を重視する飲み方が主流になりつつある。SNS上では自宅でのカクテル作りに関する投稿や動画が増加し、家庭やコンビニで手軽に材料をそろえ、気分や好みに合わせてアレンジするスタイルが若年層を中心に定着しつつある。

特徴的なのは、専門的なバーツールや高価な酒を使うのではなく、市販の炭酸水やジュースを割り材として活用する点だ。フレーバー付き炭酸水をベースに、ウォッカやウイスキー、果実酒、さらには中国の薬酒などを組み合わせるレシピがSNSで共有され、投稿を通じて新たな飲み方が拡散している。こうした動きは、酒類と飲料の境界を曖昧にし、両カテゴリーを横断する消費を促している。

オンラインでの盛り上がりは、オフラインの小売現場にも波及している。コンビニや量販店では、炭酸飲料と酒類を近くに陳列したり、組み合わせを提案する売り場づくりを行ったりする動きがみられる。若者の「その場で買って、その場で割る」ニーズに応える形で、販売戦略を調整するケースも出ているという。業界関係者は、自家製カクテル需要が単体商品の販売を押し上げるだけでなく、関連商品の同時購入を促す効果があると指摘する。

背景には、若年層の価値観の変化もある。強い酔いよりも「ほどよい酔い」を求める傾向が強まり、味のバリエーションや飲みやすさ、さらには健康やカロリーへの配慮も重視されている。炭酸水や低糖飲料を割り材に選ぶことで、飲み口を軽くしつつ心理的な負担を抑えられる点が支持されているとみられる。

一部の飲料ブランドは、こうした需要を見据えて酒類ブランドとの協業や、カクテル向けの提案を強化している。専門家は、従来は分断されていた酒類と飲料のカテゴリーが、消費シーンの拡張によって融合しつつあると分析する。重要なのは特定ブランドの人気そのものではなく、「自宅で自由に割って楽しむ」という消費行動の広がりだという。

ほろ酔い市場の拡大とともに、家飲みスタイルは今後さらに多様化するとみられる。酒と飲料を組み合わせる提案力や、消費シーンに即した商品開発が、業界各社にとって競争力の鍵となりそうだ。(c)東方新報/AFPBB News