【2月18日 AFP】カナダのマーク・カーニー首相は17日、カナダ軍を強化し、米国への依存を減らす目的で、同国初の防衛産業戦略を発表した。ドナルド・トランプ米大統領が従来の同盟関係を揺るがす中での発表となった。

新たな防衛計画についてカーニー氏は、世界情勢が不安定さを増す中、安全保障確保への自国の努力が十分ではなく、また米国の保護に頼ることはもはや現実的ではないとの考えを示し、「私たちは地理的条件や他国に頼りすぎてきた。その影響で、もはや許容できない脆弱性と、維持できない依存関係が生じた」と述べた。

首相府は、この戦略が安全保障や経済的繁栄、主権強化に向けた5000億カナダドル超(約56兆円)の投資になるとしている。

政府による直接の防衛支出として今後5年間で約800億カナダドル(約9兆円)を見込むほか、今後10年間では防衛調達に1800億カナダドル(約20兆円)、防衛および安全保障関連インフラに2900億カナダドル(約33兆円)を投じる計画だとカーニー首相は述べた。

米国との安全保障における関係が不安定になっていることが意味するものは、カナダが防衛において単独で行動すべきということではない。

カナダ政府は欧州連合との軍事的な関係強化を進めており、ミュンヘン安全保障会議では正式にEUの「セキュリティ・アクション・フォー・ヨーロッパ(SAFE)」プログラムに唯一の非欧州国として参加した。アジア、特に韓国との新たな防衛輸出機会への期待についても語っている。

防衛計画発表後、カーニー氏はマルコ・ルビオ米国務長官が先週のミュンヘン安全保障会議で「西洋文明」は「キリスト教の信仰、文化、遺産、言語、祖先、そして私たちの先祖の犠牲によって定義される」と述べたことについても言及。

「カナダのナショナリズムは市民的ナショナリズムであり、カナダ政府の使命は広大で多様な国におけるすべての人の権利を守ることだ」と述べ、米国とカナダの間に価値観の隔たりが広がっているとの認識を示した。(c)AFP/Marion Thibaut with Ben Simon in Toronto