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【02月18日 KOREA WAVE】韓国で2026年第1四半期の“話題作”との呼び声も高いバラエティー番組「トゥントゥン プンヒャンゴ2」。ユ・ジェソク、チ・ソクジン、ヤン・セチャン、俳優イ・ソンミンらが東欧を巡る“ノープラン旅行”が人気を集めている。

オーストリア・ウィーンからハンガリー・ブダペストへ向かう国際列車に乗車する場面では、車内に表示された一文が視聴者の目を引いた。

「列車利用者は気候の守護者(Klimaschützer)」。ユ・ジェソクらは、列車利用によって削減される温室効果ガス量を示す数値を“料金”と勘違いして驚く場面もあったが、その選択は象徴的だった。

この列車を運行するのはオーストリア連邦鉄道(ÖBB)。同社は2035年までにモビリティ部門で、2050年までにグループ全体でのカーボンニュートラル達成を目標に掲げている。

年間約420万トンの温室効果ガス削減効果を挙げているとされ、旅客列車の電力は水力・風力・太陽光など再生可能エネルギー由来で賄われている。非電化区間では、廃食用油を水素化処理した再生ディーゼル(HVO)を段階的に導入し、化石燃料依存の低減を進める方針だ。

ÖBBによると、1人が1キロ移動する際のCO₂排出量は約5.71グラムで、自家用車の10分の1以下。ウィーン―ブダペスト間(約240キロ)を飛行機や自動車ではなく鉄道で移動することで、その差はさらに拡大する。

バラエティー番組の一場面ではあるが、欧州が交通部門の脱炭素化を“日常の行動変容”として設計してきた姿勢を象徴するシーンでもあった。

一方、韓国の鉄道事情はどうか。韓国鉄道公社(コレール)は持続可能性向上を掲げ、車両基地や駅構内の遊休地に太陽光設備を拡充するほか、省エネ型電車の導入や水素列車の実証事業も進めている。

ただし、電力供給構造は欧州とは事情が異なる。コレールは韓国電力公社(韓電)が供給する国家電力網に依存している。韓国の発電構成に占める再生可能エネルギー比率は2025年時点で10%台にとどまり、石炭やLNG火力の比重も依然高い。

そのため、オーストリアのように「鉄道電力100%再エネ」と宣言するのは構造的に容易ではない。

もっとも、再エネ発電事業者との直接電力購入契約(PPA)や、再生可能エネルギー証書(REC)の購入といった制度的手段も存在する。ただし、鉄道は常時・大規模な電力を必要とする産業であり、安定的かつ長期的な再エネ調達基盤の確立が不可欠だ。

「プンヒャンゴ2」の魅力は“無計画さ”にある。しかし、その旅路の中で選ばれた鉄道移動は、欧州交通政策の方向性と重なる。

祝祭シーズンごとに高速道路や空港が混雑する現実の中で、移動手段を変えることは、最も具体的な気候行動の一つかもしれない。

笑いの裏に、脱炭素社会への問いが重なっている。【news1 ファン・ドクヒョン気候環境専門記者】

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