【2月23日  People’s Daily】最新の人工知能理論に基づく先進的なコンピューティング・アーキテクチャを採用したインテリジェント演算能力は、AIの発展に強力なサポートを提供している。

中国工業情報化部のデータによると、2025年6月末現在、中国では稼働中の計算資源センターの標準ラック数が1085万に達し、AI向け演算能力は毎秒788エクサフロップス、ストレージ容量は1680エクサバイトを超え、すでに1509の大規模AIモデルが公開されている。これらは全て世界のトップレベルにある。同時に、知能演算能力の応用は深化し、様々な産業との連携作用が継続的に強まり、デジタル経済の新たな基盤となっている。

知能演算能力を活用した効率的なモデルトレーニングと推論によって、AIの科学研究分野における応用のイノベーションが大幅に加速されている。中国の大学・研究機関およびコンピューティング企業は「産学連携」を加速し、知能演算能力の科学研究分野における実用化を推進している。

南開大学(Nankai University)の知能演算システム研究室は、眼底画像の血管分割研究において効率的な「AI演算・オープンソースフレームワーク」を活用し、単一の眼底画像の推論速度を2.4倍向上させ、眼底画像分析技術の臨床応用を促進した。

また、上海人工知能実験室は、臨港実験室、上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)、復旦大学(Fudan University)などと緊密に連携し、わずか2か月で2つのがんの新標的を発見し検証した。

さらに、新型ネットワーク技術分野で国家戦略を担うプラットフォーム型研究機関「鵬城実験室」は、「中国演算力ネットワーク」を通じて20以上の都市の演算力ノードを統合し、「鵬城クラウドブレインⅡ」を拠点に、数万人の研究者にサービスを提供している。

清華大学(Tsinghua University)人工知能研究院の孫茂松(Sun Maosong)常務副院長は「AIは科学パラダイム革新を駆動する重要なツールとなり得る」と強調する。「AI駆動の科学研究パラダイム変革においては、例えば大規模モデルによるタンパク質構造予測などのような『根本課題』を発見するために知能演算能力を活用することが重要だ。『根本課題』を解決すれば、その分野に根本的な変化をもたらす可能性がある」、孫氏はそう指摘する。
 
内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)フフホト市(Hohhot)にある「伊利現代スマートヘルスバレー」では、牧場の乳牛一頭一頭に専用の「健康記録」が存在する。

伊利集団(Inner Mongolia Yili Industrial Group)は、中国ハイテク大手のアリババ集団の「アリクラウド」が提供するAI演算能力と超大規模汎用計算操作システム「飛天(Apsara)」を基盤にして、知能演算インフラを構築し、AIアプリケーションに安定して弾力性のある展開環境を提供するとともに、意思決定アルゴリズムと生成型大規模モデルを生産・サプライチェーン分野に統合している。

伊利集団デジタルテクノロジーセンターの程国強(Cheng Guoqiang)デジタル技術担当ディレクターは「人手による乳牛の健康状態の観察は非効率で主観的だったが、現在はコンピュータービジョンで乳牛の眼部特徴識別を通じて、乳牛の健康状態をリアルタイムでモニタリングし、精密な給餌管理が可能になり、乳質の向上に大いに役立っている」と説明する。

阿里雲智能(アリババ・クラウド、Alibaba Cloud)・ソリューションの賈朝輝(Jia Chaohui)シニアディレクターは「現在、伊利集団では800以上のAIエージェントを開発している。大規模モデルは、注文の履行、在庫回転、物流時間効率などのサプライチェーンシナリオの70%をカバーし、原材料と副資材の期限管理、過剰在庫圧縮、欠品リスクを顕著に低減している」と述べている。

23年に最初のモデルをオープンソース化して以来、「アリ通義実験室」の大規模モデルの全世界ダウンロード数は6億回を突破し、派生モデルは17万を超えているという。

高速鉄道車両の速度向上に伴い、空力外形設計が開発の鍵となっている。中国中車集団(CRRC Group)は、既存のシミュレーションと試験データに基づき、高速鉄道車両の空力荷重標準データベースを構築し、中国のインターネット大手「百度(Baidu)」の「飛槳」ディープラーニングプラットフォームおよび「飛槳」科学計算ツールユニットを活用して、空気力学知能シミュレーション大規模モデルを構築した。

関係者によれば、従来のシミュレーション手法と比較して、大規模モデルはシミュレーション周期を、スーパーコンピューター資源を用いた「日」単位から、単一GPUを用いた「10秒」単位にまで短縮し、全体のシミュレーション効率を30倍以上向上させ、結果の誤差を5%未満に抑え、高速鉄道車両外形のスマート最適選択と迅速な最適化調整を行っているという。

業界専門家は、ソフトウェアとハードウェアの協調設計と深度最適化を通じて、AIコンピューティング・アーキテクチャのイノベーションとブレークスルーを持続的に推進することで、大規模モデルやAIエージェントなどの人工知能技術と実体経済との深い融合をさらに促進し、人工知能がさまざまな産業を活性化する革新的な力になり得ると指摘している。

AIチップとAI演算システムの開発企業「太初(無錫)電子科技」の洪源(Hong Yuan)チーフプロダクトオフィサーは「知能演算能力の革新的なブレークスルーは、産学研の連携と人材サポートなしにはあり得ない」と述べる。

同社は湖南大学(Hunan University)、南京郵電大学(Nanjing University of Posts and Telecommunications)、蘇州大学(Soochow University)などと共同研究チームを結成して科学研究課題に取り組んでいる。また自社開発のAI演算用アクセラレーターカードとソフトウェア・ハードウェアの協調に基づく教育訓練プラットフォームを構築し、若く活力に満ちた実践能力を備えた人材を多数育成している。

現在、同社が提供する高密度液体冷却スマートコンピューティングクラスターは、200以上の大学・企業にサービスを提供し、毎秒1200ペタフロップス(PFLOPS)を超える演算処理の需要をサポートしている。(c)People’s Daily /AFPBB News