【2月22日  People’s Daily】冬の穏やかな日差しの中、白い乗用車が「北京-台北高速道路」(北京から福建省<Fujian>の一部まで開通済み、台湾海峡から先は計画段階)の北京の試験走行区間を安定して走行していた。

アイコンが点灯すると、北京汽車集団(BAIC Group)のL3レベル自動運転認可試験プロジェクトの総責任者・王岩(Wang Yan)氏がレバーに軽く手を触れた。すると「自動車線クルーズが作動しました」という案内音とともに、北京汽車アルファS(L3版)の計器盤上の青色L3マークが点灯した。

王氏は「これで車両はL3レベル自動運転モードに入り、ドライバーはハンドルから両手を離し、ブレーキから足を離すことができる」と説明した。車両は試験区間でのみアイコンを点灯させ、ドライバーに対して自動運転作動条件が整ったことを知らせる。王氏は「試験区間の単一車線内で、車両は自動的にステアリングや加減速を行う」と補足した。

2025年12月15日、工業情報化部は中国初のL3レベル条件付き自動運転車種の型式認可を正式に公表した。2つの車種が北京市と重慶市(Chongqing)の指定区域で路上試験を開始した。これは中国のL3レベル自動運転が商業化応用に向けて決定的な一歩を踏み出したことを示している。

重慶大学(Chongqing University)スマートカー技術学院の宋朝省(Song Chaosheng)執行院長は「国家標準化管理委員会が発表した『自動車運転自動化レベル分類標準』によれば、自動運転はL0からL5までの6段階に分かれ、L2レベルは統合運転支援(部分運転自動化)、L3レベルは条件付き自動運転に相当する。市場は主に高速道路と都市部の運転支援に使用されるL2レベルの車種が中心だ」と説明する。

重慶長安科技(Chongqing Chang'an Technology)人工知能基礎・応用部門の梁鋒華(Liang Fenghua)副総経理は「L2はあくまで運転支援だが、L3は条件付き自動運転に対応している。L3は特定のシナリオ下ではシステムが自動運転を行う。ただし、システムが介入要請を発した場合、ドライバーは速やかに車両を引き継ぐ必要がある」と述べ、「L3レベル自動運転では特定条件下でドライバーが『手放し・目離し』が可能となり、システムが単独で動的運転タスクを完遂できる」と補足した。

今回の型式認可は、従来のテスト用ナンバープレートとは本質的に異なるという。北京汽車L3レベル自動運転プロジェクの賈貝貝(Jia Beibei)総監は「今回認可されたL3レベル条件付き自動運転車種は、将来的に正式ナンバープレートを取得し、路上を走行できる点で、従来のテスト用とは違う」と強調した。
  
西南大学(Southwest University)工程技術学院の冀傑準(Ji Jiezhun)教授は、初のL3レベル自動運転車種の型式認可取得は、中国の自動運転産業が技術実証から量産応用の新段階へと進んだことを示すとし「これは産業サプライチェーンが実験室から特定シナリオ、開放道路へと進出する合法的な道を開き、自動運転の商業化プロセスが加速される」と指摘した。

王岩氏は「L3レベル自動運転には条件がある。例えば試験指定区間内であること、ネットワークや衛星測位信号が正常であることだ」と述べる。L3レベル自動運転機能を起動した後、ドライバーの視線は前方路面から適度に外してもよいが、長時間目を閉じることは許されず、ましてや運転席を離れたりシートベルトを外したりすることは許されない。車両が何か人の操作が必要な状況を検知すると、運転操作要求を発し、ドライバーは速やかに運転を引き継がなければならない。

現在、北京の試験車種は、特定の高速道路および都市快速道路の場合は単一車線内で、最高時速80キロの自動運転機能を実現している。一方、重慶の試験車種は特定の交通渋滞環境下における最高時速50キロの自動運転に重点を置いている。

車両に対する要求もさらに高くなっている。アルファS(L3版)は3基のレーザーレイダーを含む34個の高性能センサーを搭載している。これらのセンサーは車両周辺環境の知覚をカバーし、システムの意思決定に対して精密で包括的な環境情報を提供する。長安の車種も、4Dイメージングミリ波レーダーやマイクロ衝突センシングといった重要な知覚技術を組み込んでいる。
  
長安の梁氏は「L3レベル車種のソフトウェア・ハードウェアは『故障を許さない』ことを中心に構築されている」と強調する。車両は一部の重要システムが「ダウン」した場合でも安全に走行できる「冗長性」が不可欠だ。長安汽車が認可された車種は、知覚、制御、電源、通信、制動、操舵、インタラクションの「7重冗長アーキテクチャ」を実現しており、メインコントローラーや操舵システムに単一故障が発生した場合でも、バックアップシステムが即座に制御を引き継ぎ、車両を安定的に減速させ、安全に停車させることができる。

一般消費者への販売について、梁氏は「現段階では試験実施者のみが限定区間・限定車種で走行することが許可されているだけで、一般消費者は購入できない。しかし一般消費者はミニアプリでタクシーを予約して自動運転機能を体験することはできる」と話す。

L3レベル条件付き自動運転技術の商業化プロセスを加速するため、北京汽車集団が主導して結成したコンソーシアムは、政府4部門が発表した「L3レベルスマートコネクテッドカー路上走行試験リスト」に選ばれ、今年の第1四半期に特定シナリオで運営を開始し、実践経験を積む計画だ。

重慶の地形は独特で「山の街、霧の都」と呼ばれ「橋梁やトンネルが多い立体的な交通」という特徴が、長安汽車のL3レベル車種を検証するための優れた「試験場」を提供している。

スマートカー技術学院の宋執行院長は「重慶の道路状況は、車両の知覚、位置特定、制御能力、経路計画などに対して全方位的な試練を突きつける。重慶で安定して作動できれば、その車両はほとんどの複雑な道路環境に対応する潜在能力を備えていると言える」と述べた。(c)People’s Daily /AFPBB News