【2月25日 CNS】旧暦の丙午(ひのえうま)を迎え、中国では午年にちなんだ文化グッズの発売が相次いでいる。近年の特徴は、単なる縁起物にとどまらず、若者の感情や日常の気分に寄り添うデザインが支持を集めている点だ。

中国国家博物館(National Museum of China)は、所蔵する唐三彩(唐時代に生産された多彩釉陶器)の黒釉陶馬をモチーフにしたシリーズを展開した。「黒馬」は中国語で「隠れた実力者」を意味し、潜在力や飛躍への願いを象徴する。ぬいぐるみバッグやフィギュア、ブロック玩具など多様な商品がそろい、2体の馬が磁石で「手をつなぐ」仕様のぬいぐるみも話題を呼んでいる。縁起の良さと遊び心を組み合わせた商品設計が評価されている。

山東美術館(Shandong Art Museum)が発売したソフトクレイ製の子馬「馬彪彪」は、中国画の巨匠・斉白石(Qi Baishi)の作品から着想を得たデザインだ。白い体にふわりとした巻き毛を持ち、どこか気ままで自由な雰囲気を漂わせる。展覧会期間中の関連グッズ売上は42万元(約931万6314円)を超え、館内の人気商品となった。

甘粛省博物館(Gansu Provincial Museum)のぬいぐるみ「緑馬跳跳」も再び注目を集めている。国宝級文化財「銅奔馬(馬踏飛燕)」をもとにしたキャラクターで、あえて「ブサかわ」な表情に仕上げた点が支持されてきた。午年限定バージョンは発売からわずか3時間で完売したという。

さらに、浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)で製造過程のミスから誕生した「泣き顔の馬」もSNSで拡散し、3日間で売上が300%増となった。眠そうな目や気の抜けた表情のぬいぐるみが「働く人のリアルな気分を表している」と共感を呼ぶ例もある。完璧さよりも、人間味のある不完全さがかえって親近感を生む傾向がうかがえる。

トイブランド各社も午年限定商品を投入している。人気キャラクターと馬モチーフを組み合わせ、「幸福」「成功」といった前向きなメッセージを商品名に込めたぬいぐるみは、発売直後に完売するケースもみられた。京劇風の旗を背負ったコミカルな子馬の限定モデル(339元=約8850円)も若者の購入意欲を刺激している。

業界では、午年グッズのヒットの背景に「感情消費」の広がりがあるとみる。単に干支の象徴をデザインするのではなく、癒やしや共感、励ましといった心理的価値を織り込むことが、若者の支持につながっているという。報告書でも、干支モチーフは装飾的な記号から、感情を託す対象へと役割を変えつつあると分析されている。

午年グッズの盛り上がりは、文化モチーフと若者の感情ニーズを結びつけた商品企画が、今後も市場の鍵を握ることを示している。(c)CNS/JCM/AFPBB News