【2月17日 AFP】ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の死をめぐり、欧州側が毒殺との見解を示したことについて、南米のヤドクガエル専門家は16日、使用された毒物は野生個体から直接採取されたものではなく、人工的に合成された可能性が高いと指摘した。

欧州5か国は14日、南米原産のヤドクガエル由来の神経毒「エピバチジン」により死亡した可能性が高いとの見解を発表した。

これらのカエルは、許可を得れば合法的に入手でき、違法市場でも数ドル程度で取引されるなど、比較的容易に入手可能だ。

しかし、専門家らは使用された毒が自然由来ではなく、化学合成された可能性が高いと語る。必要となる量を確保することや実際に入手するまでにかかる労力を考えると、合成された毒物ははるかに効率の良い選択肢となる。

コロンビアの生物保護施設「テソロス・デ・コロンビア」でディレクターを務めるイバン・ロザーノ氏は、致死量を確保するには、膨大な数のカエルが必要になるとAFPに説明した。

ロザーノ氏は「それほど多くのカエルを集めるのは不可能」とし、「人を殺すことができるのは、研究所で作られた『合成版』だ」と指摘した。

また、自然環境では、カエルの毒は昆虫から獲得するものであり、飼育下ではすぐに失われるという問題もある。

イリノイ大学の専門家デビン・エドモンズ氏は「飼育下で育てられたカエルの皮膚に含まれるアルカロイドは、野生のカエルとは大きく異なる」とし、「飼育下ではショウジョウバエなどが与えられるため毒性はない。飼育下で数か月間ハエを食べると毒性を失う」と説明した。

ナワリヌイ氏が毒殺との欧州側の見解を受け、ロシア大統領府(クレムリン)は16日、「強く否定する」と述べ反発した。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は定例記者会見で、「当然ながら、そのような非難は受け入れられない。われわれは同意しない。偏見に満ちた事実無根の主張だ」と述べ、「強く否定する」と強調した。(c)AFP